日本人は1人だけ!アメリカの大学で教育を学んでみる

日本人は1人だけ!アメリカの大学で教育を学んでみる

早大を休学してアメリカのリベラルアーツカレッジで教育を学ぶ学生。アメリカ留学2年間終了後、アフリカに行き、現在はインドで働いている。多くの教育関係者、海外に興味を持った方に読まれるブログを運営中。

日本とアメリカの教育方針の大きな違いとは?-教育実習7日目-

 

2週目に入って、すっかり生徒とも仲良くなってきました。

 

最初は様子を見て、あんまり話しかけてこなかった子が、「Good morning Mr. Masaki!」って笑顔で挨拶をしてくれると、生徒との距離が縮まったのを感じ、嬉しくなります。

 

給食では、毎回色んな生徒に「こっちに座って」といわれるので、「明日はそっち行くから」と言って納得してもらいます。笑

 

先生はふつうは名字で呼ばれるので、Mr. Nakamuraになりますが、「Nakamura」の発音は難しいので子どもたちは僕のことをMr. Masakiと呼びます。

 

Mr.と呼ばれるなんて、なんだか新鮮なかんじで毎日過ごしています。笑

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さて、今日は国語の文章の読解テストの担当を任せてもらいました。

 

読解の本当の力を測るのは実はとても難しいと、担当の先生は言います。

 

よく、文章を読んで答えるというテストがありますが、それは出題者側が考えた問いに生徒たちが答えなければならなく、それでは子どもたちの考えが制限されてしまうと言います。

 

なので、今回のテストの測定方法は文章を読んで、「口に出して考える」。それを、録音して採点するというものでした。

 

「口に出して考える」とは、あの有名な曲のタイトルにもあるように「Thinking out loud」で、「Thinking out loud」という単語が生で使われているのを聞いてなんだか感動しました。笑

 

www.youtube.com

 

英語をただ勉強するだけで終わってしまうのではなく、実際に使われている世界に行ってみると「このフレーズが使われる頻度高い」とか「こうゆう時にこのフレーズは使われるんだ」という発見があるので面白いです。

 

ただテストのための勉強だと、「フレーズの使用場面・頻度」などを勉強することは難しいですからね。

 

この先生の「口に出して考えるテスト」は新たな試みでした。

 

「話す声が小さすぎて録音できてない」とか、「録音したけど保存のやり方がわからない」というアクシデントはありましたが、先生は、失敗してもいいと言います。

 

「新しいことをどんどん挑戦してどの測定方法が、一番生徒の能力を引き出すことができるかを実験し続けることが重要である」

 

と言っていました。

 

さて、この先生がしているのは習ったことの「内容理解」の把握ではなく、「内容を理解する力」を測ることです。

 

違いがわかるでしょうか?

 

アメリカには「Common Core State Standard」という日本の学習指導要領のアメリカ版があります。

 

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(誰でもオンラインで見ることができます。URL: http://www.corestandards.org/ELA-Literacy/RL/5/ )

 

しかし、 アメリカには国による指定教科書がありません。その学校やその先生の方針によって教科書は選定されています。

 

なので、「教える内容」よりも身につけさせたい能力」を重視しています。

 

先生たちは授業を作成する時に、この授業はどの「Common Core State Standard」にあるスキルに当てはまるかを確認するので、この「Standard」という単語をよく耳にします。

 

日本の学習指導要領にも「身につけさせたい能力」が一応書いてありますが、どのくらいの人が知っているでしょうか。

 

日本の「教える内容」の統一は、受験システムと深く関連していて、「教科書の範囲から出題される」入試のためには、教える内容を全国内で統一しなければなりません。

 

それに対して、基本的に中学・高校入試のないアメリカでは、小学生・中学生の間は同じ内容を教えることよりも、同じ能力を身につけさせることに重きを置いています。

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この身につけさせたい能力」を基準にすることにはメリット・デメリットの両方があります。

  

メリット

・先生が自分で何の内容を教えるかが自由に決められる(よりクリエイティブになれる)

・生徒に知識を詰め込むのではなく、創造力・発想力を養うことに時間を使える

全員が全員同じことを習う危険性を回避することができる

(特に歴史などは国が決めたことしか習わない、ということがなくなる)

 

デメリット

・生徒の知識にばらつきが出る

先生の力量によっての差が大きくなる。

・「能力」をはかることは「知識」を測ることよりも難しい

 

この身につけさせたい能力を基準にする」という考えは、「知識」が重視される教育を受けてきた自分にとって新しい考えでした。

 

しかし、新しい考えを鵜呑みにするのではなく、この基準が将来生徒の役に立つのかどうなのかをしっかり考える必要性がありそうです

 

ただ、「このような違う考えもあるんだな」ということはこの時期に知ることができて良かったと思います。

 

皆さんはどう考えますか?

 

次回は、アメリカと日本の教育を比較してみて気付いた「アメリカの教育に潜む影や、日本の学校のほうがいいところなど」について書きたいと思います。

 

<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>