【アメリカの先生の常識!授業の5つの要素とは?】-教育実習11日目-
今日は社会の時間に16世紀の人の暮らしの絵を描いてみようという課題がありました。
5年生は絵を描くのが好きですが、なかなか上手く描けません。
人の絵を描いてもみても、棒人間だったり、顔が体の10倍位あったり。笑
しかし、ある1人の女の子の絵は違いました。絵が5年生の書く絵とは思えないのです。
彼女は特別な芸術の才能でも持っているのでしょうか。
絵を描いているところを見ていると、彼女は人の絵の書き方を調べてから描いていました。
よく見てみると、他にも何人かネットで検索して絵の描き方を調べていました。
実際に教えてくれる先生がいなくても、ネットで自分たちで先生を見つけているのです!
テクノロジーは使い方さえ間違えなければ、子どもの可能性を無限に引き出すことができます。
子どもたちはより想像豊かに、よりクオリティの高い作品を作れるようになりますね。
アメリカの子どもが真珠湾攻撃を習う
さて、この日生徒は「真珠湾攻撃で生き残ったアメリカ人兵隊のインタビュー」を見ました。
どうやったら子どもたちにアメリカ側の視点を持たせることができるかすごく悩んだのですが、アメリカ人が重点的に習う日本の「真珠湾攻撃」を選びました。
どこの国も被害を受けたことが強調されるのは同じですね。なぜ起こったのかを見過ごして。
そして、色々な媒体で学んでほしかったので、絵本の次は動画を選びました。
こちらの動画を見せました。(英語です)
子どもたちはこの3分間の動画を子食い入るように見ていました。
本の力もすごいですが、動画の力もすごいです。視覚的にインパクトを与えますからね。
この動画のインタビューの生存者は、いかに真珠湾攻撃が恐ろしかったかを述べています。
普通のアメリカの子どもだったら、真珠湾攻撃だけを習い、日本はなんて残酷な国なんだろうと思うでしょう。
しかし、この子達は既に伸ちゃんの話を知っているので、どうにも言えない複雑な心境です。
「日本の攻撃は良くないけど、その後アメリカも伸ちゃんを殺してるしなぁ。。。」
(※時系列的に真珠湾攻撃を先に見せるべきでした。それから「伸ちゃんの三輪車」を読ませたほうがアメリカ視点→日本視点という流れもスムーズだったと思います)
この「複雑な心境」を持たせるのが一つの狙いでした。戦争なんてそう簡単に一つの国に責任を追及することはできないからです。
そして、「伸ちゃんの三輪車」とこの「動画」をワークシートを使って比較しました。
類似点と相違点を探し出します。
この2つの相違点としては、場所、攻撃する国の違い(日本かアメリカか)、原爆の使用の有無、などなど色々ありましたが、
着目してほしいところは、類似点でした。
子どもたちは
・両方の国の多くの人が死んだ
・両方の国の人たちは悲しそう
・両国共に爆撃されている
・伸ちゃんの父もこの二人の生存者共に、戦争の記憶を忘れることができない
・被害を受けた後、広島、ハワイ共に博物館を建てた
などに気付きました。この類似点ってとても重要で、一方の国だけを見てると、相手の国の人が死んだことなどを見過ごしてしまうことが多いからです。
しかし、両国の類似点を見てみるとどちらも被害を受けていて、人が死んでいて、一方の国だけではないんだなっていうのがわかります。
授業の5つの要素
授業を組み立てる時によく使うテンプレートが5stepのStandard Lesson Structureです。
これは去年アメリカで習い、多くのアメリカの先生が使っています。
このテンプレートは基本的な授業は5つの要素に分解できるという理論から来ています。(例外もあります)
1,Connection - 前の授業の振り返り、前の授業との関連を述べる
2,Modeling - 新しいスキル・知識の紹介
3,Guided practice - 先生の補助のもと練習
4,Indepedent practice - 各自練習
5,Closure - 学習の振り返り、次の授業の予定
(各項目の名称は資料によって異なりますが内容は大体同じです)
http://teachingasleadership.org/sites/default/files/Related-Readings/IPD_Ch5_2011.pd
英語ですが、この資料に詳しくまとまっています。
講義やレクチャーはModelingの部分にあたりますが、最大でも5分ぐらいだと言われています。
それ以上だと生徒の集中が切れるので、 長い説明が必要な場合は細分化して、一回Guided practice、Indepedent practiceをやらせてから、Modelingに戻ってくると、生徒がボーっと聞いてる時間が減ります。
授業のメインはレクチャーになってしまいがちですが、レクチャーをできるだけ少なくして、生徒が動く時間をなるべく増やしてあげることが必要です。
今回の授業を組み立てる時にも使いました。
1,Connection -前回は日本の視点からだったので、今回はアメリカ視点で見てみようという話
2,Modeling -実際に簡単な類似点と相違点の例をあげる
3,Guided Practice -何人かの生徒に指名して、僕の指示のもと類似点と相違点を一緒に見つける
4,Independent Practice -類似点と相違点を個人で見つけさせる→発表
5,Closure -次は「太平洋戦争の概要」を学ぶことを言う
こういった感じです。
Guided practiceの重要性
この要素の中で忘れがちなのが、Guided practiceです。やり方を説明した後に、すぐやってみなと言っても混乱が起こることが多いです。
実際に活動をさせる前に、このGuided practice を一旦挟み、先生と一緒に練習させることが必要です。
「じゃあ、先生と一緒にみんなで練習してみよう」というステップです。
実際にこれをやってる時とやらない時では生徒の理解の違いが見てわかります。
まとめ
日本の大学の授業では聞いたことなかったのですが、アメリカでは当たり前に習う5stepなので共有しておきました。
何事も細分化が大事ですね!
次は、「太平洋戦争の概要」について生徒たちと学習していきます。
質問・コメントいつでもどうぞー!
コメントして頂いた方ありがとうございました!