アメリカ放浪記②
この日は朝からミネソタ州の中学校に行って来ました。
何かと顔の広いおじいちゃんは、街の地域活性化ミーティングで仲良くなった教育委員会の人に頼んで楽々と学校訪問が出来ることに。
「友達も一緒に行く」とおじいちゃんが友達を連れてきました。
おじいちゃんの友達のアメッドさんはソマリア出身で16年前にアメリカに来たそうです。
ソマリア出身!
そういえば、前にもソマリア出身の高校生に会ったのを思い出しました。
kyouikuwoamerikade.hatenadiary.jp
アメッドさんは、この地域にいるソマリアの子どもたちに、放課後勉強を教えていると言ってました。
そんなことを話している間に学校到着。
学校に入るとジャスティン・ビーバーの曲が流れました。
どうやら、チャイム代わりに使われているみたいです。笑
なんて自由な学校!!
見学させてもらったのは、中学2年生の英語のクラス。
この学校の生徒たちも、僕の教育実習をした学校と同じように無料支給されたiPadを1人1人持っていました。
しかし、違うのは生徒の多様性。
僕の教育実習をした学校は白人ばっかでしたが、この学校の40%は白人ではありません。
母語が英語じゃない生徒のためのこのクラス。
「どこの出身?」
と生徒に聞いてみると、タイやネパール出身が多くて驚きました。
なぜタイやネパール出身が多いのだろうとおじいちゃんに聞くと、
「彼らはタイやネパール出身だが、それはそこに難民キャンプがあるから。彼らのことを本当に知ろうと思ったら彼らの民族(Ethnicity)を聞かなければならない。」
と言われました。
実際に聞いてみると。韓国、ラオス、などの他の国にルーツを持つ子ども達でした。
彼らはアメリカに来て5〜6年目で、英語は話せますが、読み書きは難しいみたいです。
5段階でレベル2このクラスは、先週ようやく過去形を習ったようでした。(レベル5がネイティブレベル)
授業後は、先生と話をすることができました。
「この学校では英語を話せない子どもを、発達障害がある子供と同じ教室に送り込んでいた。」
英語を話せない子どもをどう対応すれば良いかわからず、特別支援学級にとりあえず任せていたみたいです。
この問題に真っ向から向かい合って変えてきたクリスティーナ先生。
他にも、生徒の保護者、特に英語を話さない保護者、とのコミュニケーションが取れていないという問題も。
多くの保護者は、子どもに英語の補助のクラスを取らせようとしたくないみたいです。
英語の補講クラスを『発達障害がある子が取るクラス』と思っているみたいです。
「英語の読み書きができないと、他の科目を学ぶのも困難になる。英語の補講クラスは『発達障害がある子が取るクラス』ではなくて、『英語が母語ではない子をサポートするクラス』という説明をしっかりしたい。」
と、クリスティーナ先生。
「ぜひ保護者に説明してほしい。アメッドが通訳して、保護者に説明すればいいじゃん」
と、おじいちゃんが提案。
これをアメッドさんとクリスティーナ先生は快諾して、来月に保護者会を開くことに。
僕に学校を見せるための訪問が、思いもよらぬ形で、学校と保護者が歩み寄るきっかけに。
1945年生まれで、今年71歳のおじいちゃんは地域のコミュニティーのために退職後も毎日がんばっています。
寮まで送ってくれて、「楽しい週末だった。いつでも俺の家にきな。」
と言っていって、去っていた人懐っこいおじいちゃん。
ふとした出会いから生まれた、濃厚な3日間でした。
(おじいちゃんとアメッドさん)
寮に戻った後は、日本の子どもたちとスカイプをしました!
知り合いの先生が、「100人の大人からのメッセージ」という素敵な企画をクラスでやっていて今年度のラストを飾らせてもらいました。
子どもに少しでも世界に興味を持ってもらいたいなと思って、南スーダン出身の友達と一緒にスカイプで出演。
久しぶりの日本の子どもたちに少しドキドキ。
自分がしていることを話した後は質問タイム。
「アメリカの食べ物は美味しいですか」という質問から、「好きな動物は何ですか。」という可愛い質問まで。笑
最後は子どもたちの元気いっぱいの「Thank you very much!!」でスカイプ終了
テクノロジーの発達で、子どもたちが世界に触れることができる機会が多くなってきています。
「世界と日本の教室を繋ぐ」
これからもこのような活動を出来る限りしていきたいなーと思います。