日本人は1人だけ!アメリカの大学で教育を学んでみる

日本人は1人だけ!アメリカの大学で教育を学んでみる

休学してアメリカのリベラルアーツカレッジで教育を学ぶ学生。アメリカ留学2年間終了後、アフリカに行き、インド、南米の学校で働いてた。多くの教育関係者、海外に興味を持った方に読まれるブログを運営中。

アメリカで学んだことをスワジランドで実践!

 

今日は社会の授業を見学しました。

 

単元は「政治体系」について。

 

先生はまずスワジランドの政治体系について話します。

 

スワジランドは国王が存在し、「君主制」と「国王が強大な権力を持つ伝統的な制度」が混合されたものが使われているみたいです。

 

現在の国王です。

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そして「君主制」の他にも、「民主制」や「独裁制」などの政治体系が紹介されていました。

 

「国それぞれによって、政治体系が異なるんだよ~」

 

と先生。

 

これはちょうどいいチャンスだ!と思い、日本の政治体系について少し話させてもらいました。

 

日本は大日本帝国憲法の下では、天皇制がとられ天皇が強大な権力を持っていたこと。

 

これは現在のスワジランドと少し似ています。

 

「でも、1945年のある出来事からその制度が変わったんだ。1945年は何の年か知ってる?」

 

生徒「第二次世界大戦が終戦した年!」

 

「そう!どうやって、戦争が終わったか知ってる?」

 

生徒「アメリカが日本の長崎と広島に爆弾を落とした。」

 

スワジランドの6年生が、長崎と広島の名前を知ってるなんてちょっと驚きでした。

 

第二次世界大戦の敗戦を原因に、憲法が変わり立憲君主制になったこと。その憲法はアメリカが草案を作ったことも説明しました。

 

そして現在、天皇は現在は政治的権力は保持せずに、「象徴」とされていること。

 

しかし、多くの人は天皇を崇高な人としてとらえていることなどを解説。

 

 「そしたら、そもそも第二次世界大戦は何ではじまったの?」

 

という良い質問が。

 

その質問は、担当の先生がわかりやすく第二次世界大戦の概略を説明してくれました。

 

日本の話から世界で起こってることに興味を持ってくれて良かったです!

 

授業後に「何を教えられるんだね?」と社会の先生に聞かれて、とっさに

 

「英語、、、、、、、、と算数も教えられます!」

 

算数も教えられる!と言ってしまいました。。。

 

僕が取得する予定の免許は中高英語なんですけどね。。笑

 

「そうなんだ。じゃあ、明日算数教えよっか!」

 

「はっ、はい!も、もちろんです!!汗」

 

と、次の日算数を教えることに。笑

 

算数は塾講師をしていた時に、受験算数を教えていたので、教えられることは教えられるんですが、算数用語の英語がわからない。。。

 

「単元はCuboidね」と。

.

「ふむふむCuboidね・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

ググる。。。。

 

「直方体」です!!

 

教えることの難しさよりも、単語を覚えることの難しさのほうが大変そうな気がします。笑

 

そんなかんやで、スワジランド一回目の授業は「算数」です!

 

その後に、クラスを回っていたら一人の2年生の男の子が教室に残っていました。

 

何してるの?と聞くと、「黒板に書いてあることをノートに書き写さなきゃいけなくて、残らされているんだ。」

 

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と言っていて、彼はまだ2行しか書いていませんでした。

 

しばらく彼の様子を見ていると、1単語書いてから次の1単語を書き始めるまでの時間がとても長いのに気づきました。

 

これはおそらく「情報量が多すぎて、どこを書いているのか、わからなくなっているんだな」。

 

と思って、次書く単語を指差して、どの単語を次書けばいいか一目でわかるようにしました。

 

そして、一行書き終わるごとに「チェック」をつけるという、「ポジティブ・レインフォースメント」を使い、やる気を継続させます。

 

この二つを続けるだけで、生徒の書くスピードが格段にあがり、あっという間に終わりました。

 

「先生ありがとう」と言われ、

 

「よくがんばったね」と言って、送り出しました。

 

今回は、「情報量が多すぎる」というのが問題であり、彼自身が悪いとか、怠け者だ、というわけではありませんでした。

 

こういった生徒は、よく「問題児」などど言われます。

 

しかし、「何が原因」かを冷静に分析して、それに対応した「サポート」を与えることで生徒の行動は大きく改善します。

 

アメリカで勉強した「教育心理学」と「Functional Behavior Analysis」が役に立ちました。

 

「Functional Behavior Analysis」とは生徒の問題行動を分析する方法で、生徒の一連の行動を

 

Antecedent    先行条件  

Behavior     行動    

Consequence  結果    

 

の大きく3つに分けて分析する理論です。

 

行動には必ず引き起こされる「先行条件」があり、その「先行条件」を何か突き止めることが必須です。

 

今回の場合では、

 

Antecedent    先行条件  多くの量の板書をノートに写す。

Behavior     行動    ノートを写さずに、他人にちょっかいを出し始める。

Consequence  結果     書くことを回避。

 

だったので、これを解決してあげればよかったのです。

 

「学んだこと」を「実践」に繋げることができたのでよかったです。

 

やっぱり、実践も「理論」もどちらも大事ですね。

 

さあ、明日は初授業です~!!

 

<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>