日本人は1人だけ!アメリカの大学で教育を学んでみる

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日本人は1人だけ!アメリカの大学で教育を学んでみる

早大を休学してアメリカのリベラルアーツカレッジで教育を学ぶ学生。アメリカ留学2年間終了後、アフリカに行き、現在はインドで働いている。多くの教育関係者、海外に興味を持った方に読まれるブログを運営中。

生徒を勉強に集中させる秘密とは?~スワジランドで教育実習~

スワジランド スワジランド-教育実習 教育 教育-教育実習
 
「4×7=28、4×8=32、4×9=36」
 
8時から授業が始まると、隣のクラスから元気な声が聞こえてきました。
 
3年生が九九の音読練習をしています。
 
アメリカでは決して聞くことのなかった九九。
 
自分の何人かの友達にも聞きましたが、「アメリカでは九九を覚えない」、と言ってました。
 
「4×10=40、4×11=44」
 
あれ??
 
「4×12=48!、5×1=5、5×2=10・・・・・・・・5×12=60!」
 
 
この学校では九九は12の段まで覚えるみたいです。

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そういえば、マレーシア出身の友達も九九は12段まで覚えたと言ってました。
 
九九をどこまで覚えるのかは国によって違うんですね。
 
そして、今日はずっと2年生の教室にいました。
 
先日見た光景の秘密を探るためです。
 
「学校で一番手に負えない」と言われる2年生が、ちゃんと椅子に座って勉強をしていたのです。
 
一見当たり前に聞こえますが、これは実は簡単ではないことを僕は身をもって体感しました。
 
 
秘密を暴こうと教室に張り付きペンとノートを取り、必死にメモを取り続けました。
 
そして、1つの結論が出ました。
 
生徒が先生に従う理由、
 
 
それは
 
 
「罰」です。

 

このクラスでは、生徒が先生の言うことを聞かないと罰を受けます。
 
罰は様々ですが、「怒鳴る」ことはもちろん、「黒板の前に立たされる」、「教室の後ろで空気イス」、「外に出される」、「校長室に送らされる」などです。
 
「次話したら外に出すからな」
 
と生徒に警告します。
 
5分後くらいに、生徒は話してしまいます。
 
そして、生徒は本当に外に。
 
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外に出されるのは10分くらいから長いのは40分までありました。
 
40分って、50分の授業時間の8割です。
 
空気イスは「もっと下げろ」とできるだけ膝を曲げるように言われます。
 

「次席立ったらこの携帯ですぐさま親に電話をかけるからな」というふうに言われることもあります。

 
これが生徒達が言うことを聞く理由でした。
 
しかし長い間観察してると、この罰の効果が完璧ではないことに気づきました。
 
罰で脅しても、彼らは同じ行動を繰り返すのです。
 
席を立つな、と言っても席を立ってしまいます。
 
話すな、と言っても話してしまいます。
 
そして罰を受けます。
 

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そして、学習する機会を失います。
 
中には、罰を受けたくなくて泣く生徒もいます。
 
こういう場面を1日で何回も見ました。
 
罰を受けた後は一時的に、子供たちは静まります。
 
こないだ僕が見たのはこの瞬間でした。
 
しかし、しばらくするとまた生徒が話し始めたり、席を立ち始めたりします。
 
そして罰を受けます。
 
この繰り返しでした。
 
授業を見ている中で、とりわけ2人の子供が集中的に罰を受けていました
 
1人は一番前に座っている子で、もう1人は一番後ろの子どもです。
 
後ろに座っている子は、以前に僕が居残りの手伝いをした子でした。
 
この2人を観察してると、2人とも周りの音に敏感、周りの刺激に影響を受けやすいということに気づきました。
 
そして、何かをしたいという衝動を抑えられないのです。
 
例えば、「答えがわかった瞬間に、待てずに答えを言ってしまう。」
 
「外に出るときに、列に並べず外に出ようとしてしまう」などです。
 
これらはADHDを持っている子どもに見られる行動です。
 
そして、そのような子どもには罰よりもむしろ褒めて長所を伸ばしてあげることのほうが重要です。
 
「何をしてはいけないか」よりも「何をすればいいか」を教える必要があります。
 
子供は一人一人違うので、一人一人の学ぶ方法も違います。
 
運動が得意な子や、音楽が得意な子、算数が苦手な子もいれば、集中するのが難しい子もいます。
 
なので、一人一人違ったサポートが必要なのです。
 
特に、ADHDを持っている子どもは大抵怒られることが多いです。
 
このまま罰を受け続けると、自尊心が低下して、「自分はダメな子どもなんだ」と思ってしまいます。
 
それを防ぐためには、多少の間違った行動は無視して、できるだけ褒めてあげることです。
 
そして、どうしても必要なときには指導をしてあげることが重要です。
 
 
罰を与えるよりも、なぜそれがいけないのかという指導が生徒には必要です。
 
 
「罰を与えることなく、子どものやる気を引き出して、勉強に集中させる。」
 
 
これからの期間で、どうやったらこれを達成できるかを模索してみたいと思います。
 
 
アメリカの教室とはまた一味違う教室を見ることができて、いい経験になってます。
 
<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>