アメリカの教育実習と決定的に違うこと
学校に行くために毎日バスに乗ります。
毎回15リランゲニ(スワジランドの通貨)かかります。
この15リランゲニは日本円にしてだいたい100円ほど。
そして、 この15リランゲニは南アフリカの通貨と全く同じ価格です。
つまり、15リランゲニ(スワジランド) = 15ランド (南アフリカ)
なので、 スワジランドでは南アフリカの貨幣とスワジランドの貨幣の両方が 流通しています。(※南アフリカではスワジランドのお金は使うことはできません)
島国で隣国のない日本ではなかなか考えられないですよね。笑
スワジランドの独特な文化です。
今日は学校に着くと早々、生徒の泣き声が聞こえました。
生徒が泣くことは頻繁にあります。
理由はそれぞれですが、 生徒間の揉め事が原因のことが一番多いです。
生徒が僕のところに来て泣き続けます。
泣き止むのを待って、生徒に事情を聞きました。
どうやら他の生徒に叩かれたらしいです。
そして、その生徒を呼んで叩いたのかを確認して、 なぜ叩いたのかを聞きました。
そしたら、泣いてる生徒が最初にちょっかいを出したといいます。
小さい子の喧嘩によくある感じですね。
どっちが悪いというよりも、どっちも悪い。
なので、お互いを謝せることに。
「喧嘩しちゃうことってあるよね。 先生も小さい時はよく喧嘩したんだよ。でも、 大事なのは喧嘩した後なんだ。」
「友達を傷つけた後に、きちんと謝ることが大事なんだよ。」
と言って、お互い謝らせます。
きちんと謝った後は、
「よく謝ったね。偉いね。仲直りの握手しな。」
と言って、握手させました。
その後2人は、「このゲームしよう!」 って言って仲良く去って行きました。
スワジランドの教育実習では、授業だけではなく、このように生徒たちの揉め事の仲裁をすることがよくあります。
先生になったらよくするであろう仲裁の実践練習になってます。
また、 算数を教えてた時に消しゴムを投げてたのを見つけたことがありました。
「消しゴム投げないでね」
と優しく注意しました。
しかし、それを完全に無視して消しゴム投げ続けます。
今度は生徒の目の前まで行って、真剣なトーンで注意をしました。
本気で僕が言っているということをわからせるためです。
普段の担当の先生の時は消しゴムを投げたりはしないのですが、僕になった途端に投げ始めるのが見てわかります。
生徒たちは賢いので、どこまでこの先生が許すのかと試しているのです。
なので、「やってはいけないこと」に対しては「いけない」と厳しく生徒に言いました。
このように生徒を注意することや生徒指導などは、アメリカの教育実習ではしませんでした。
しかし、スワジランドでは生徒への注意や生徒指導をよくする機会があります。
前回の教育実習の体験後に、「教育実習は良いとこどり」と書きましたが、今回は先生の苦労する面も体験することができています。
そして、その後は2年生の教室にまたまたお邪魔してました!
すると今度は先生から、
「ハンドライティングの授業やって。」
と言われました。ハンドライティングの授業とは生徒が「書く」練習をする授業で、先生が黒板に書くものを生徒はそのまま写します。
アルファベットの文字を最初は書いていたのですが、生徒の書く練習になると思って漢字なども書きました。
ちゃっかり自分の名前を生徒たちに書かせてます。笑
生徒たちは意味もわからずに書き写していました。
しかし、この漢字が何人かの生徒には難しすぎたのか、生徒が書くことに退屈し始めました。
そして、また例の「消しゴムがない」「鉛筆を削る」「トイレに行きたい」を言ってきて、混乱状態の幕開け。。。
そしたら、
「席に着け!!!黙れ!!!次に話し始めたやつは外に出すからな!」
という声が。
2年生の担任の先生が怒鳴りました。
そして僕に、
「生徒に優しくしてもだめなんだよ。そんな優しくしてるから生徒が言うことを聞かないんだ。もっと厳しろ。」
と、生徒の前で言いました。
おおお。
。。。
。。。
言われた僕はなんだかいきなり言われてびっくり。
「生徒との距離のバランス」は大事だと思いますが、ひたすら厳しくするのもどうなのかなと疑問に思います。
「先生」という権力を使って、生徒を従わせるのには賛同できません。
でもまあ、そんなことも言えずに、「ああ。はい。」とやり過ごしました。
「生徒を動かす」のは罰でも権力でもないべきです。
しかし、僕はまだ生徒を動かすことが完全にはできていないので反論はできません。。。
2年生の教室での葛藤は続きます。
<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>