インドで折り紙と算数のオリジナル授業~教師の創造力の必要性~
「明日は学校に行けません。」
先生から、一通のメールが前日の夜に届きました。
んーと、これは「僕に代わりに授業をやってほしい」ということなのだろうか。
「授業を用意していった方がいいですか?」
と返信しても、メールが一向に返って来ません。。。
よくわからないですが、先生が来ないことは確実みたいです。
ということは、僕が1日担当するだろうなと容易に想像がつきます。
大至急、授業を作らなきゃ!!!
と思ってどんな授業にしようかあれこれと考えます。
そしたら、大事なことを思い出しました。
前回先生が急に来れなくなった時もそうでしたが、先生がマーカーを持っているため、ホワイトボードに何も書くことができません。。。。
詳しくはこの記事から
kyouikuwoamerikade.hatenadiary.jp
ホワイトボードが使えないとなると、できることがかなり制約されます。
また、生徒は教科書や問題集を持っていないです。
なので、「教科書/問題集のP49をやって!」と言うこともできません。
次に考えついたのが、プリントを配ることです。
問題を事前に作って配布して、生徒は解くのみ。
これなら、ホワイトボードや教科書、問題集がなくても大丈夫です。
「プリントを配る」というのは、僕が塾で働いていた時によく使っていました。
しかし、、、、、
プリンターやコピー機がないので、この案も却下です。。。。
こんな環境で何ができるだろうか。。。。
何を持っているか自分のリソースを確認すると、
「ノートパソコン」、「ペン」、「筆箱」、「折り紙」 のみ
さてどうするか。。。。
これで何ができるか。。。。
と考えてると、ある1つの案を思いつきました!
折り紙と算数を組み合わせた授業です。
折り紙と算数のオリジナル授業
折り紙を最大限に使うことにしました。
①折り紙に算数の問題を書きます。
②それを30個ほど作ります。
③折って、中が見えないようにします。
④これを生徒に1人1枚ずつ配ります
※余りの紙は空いてる机の上に置いたり、教室内に隠したりしました。
⑤生徒は折り紙を開いて、問題をノートに写して、解きます。
⑥解き終わったら、他の人の紙と交換して新しい問題を解きます。
⑦20問ほど解き終わったら、ノートを持ってきてもらいチェックをします。
⑧早く解き終わった子には「30個全ての問題を解いてみよう!」と伝えます。
<ポイント>
この授業は"黒板"を使えないという状況を打破するために考えました。
また、この授業では、できる子はどんどん問題を自分で解くことができて、算数が得ではない子には僕がサポートすることができるという最大のメリットがあります。
レベルも難しい問題からとても簡単な問題まで作りました。
得意ではない子には簡単な問題を与えて、"できることの喜び"を感じてもらう。
得意な子には少し難しい問題を与えて、"挑戦することの楽しさ"を自分で学ぶ。
「1つの授業で幅広い学力の生徒に対応できる」授業です。
また、生徒が紙を交換するために席を立つことで"動き"が生まれます。
「1日中席に座って話を聞く」って、小学3年生にとってものすごく辛いです。
僕でさえ、長時間話を座って聞くのは辛いです。
なので、授業の中にあえて"体を動かす"ことができるようにしました。
また、「新しい問題を見つける」「どんな問題かは開くまでわからない」というゲーム的なワクワク要素もあります。
1つ、1つ問題を解いていくことで、どれだけ自分が問題を解いたかも可視化することもできます。
そして、この授業の用意は「紙に問題を書いて折るだけ」なので約30分しかかかっていません。
しいてこの授業の欠点を言うならば、動きが入ることでトラブルが生まれやすくなることです。
3年生は体の動きを抑制するのが難しいので、狭い教室内で動こうとするとどうしてもぶつかってしまったりして、口論の火種となってしまいます。
なので、トラブルを起こらないように生徒の動きを注意深く見ることを気をつけてしました。
終わり
最後は使った折り紙を使って、「花」をみんなで折りました。
せっかく折り紙を使っているので、無駄にしたらもったいないですからね。
折り紙を使って勉強をして、最後はその紙を使って楽しむこともできる。
限られたリソースの中で、流れを上手く作ることができました。
生徒は途中もめたりもしてましたが、「新しい問題をみつけた時」や「折り紙が完成した時」などはとても楽しそうでした。
これからも、自分のできることを生かした「オリジナル授業」をどんどん作って、引き出しをいっぱいにしたいです。
ちなみに、スワジランドで作った「算数」×「日本文化」×「マジック」のオリジナル授業はこちらから。
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アメリカで作った「英語」×「日本文化」×「日本とアメリカの戦争」の授業はこちらから。
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このブログのアメリカ教育実習記が本になりました