教育実習生が教室を変える!?~教育実習最終週~
月曜日。
授業が始まる前に早く学校に行き、もう一人の先生と一日の流れや、方針について打ち合わせをしました。
チームティーチングでのもう一人の先生は、普段は幼稚園生を担当してるので、 2年生のクラスの様子は僕の方が把握しています。
なので、色々提案をしました。
まず、クラスの席の配置を変えること。
今までの配置より、日本でよく見る「黒板に向かって座るという配置」の方が良いと判断したからです。
Before
After
今までの陣形はグループワークなどには適切ですが、 生徒間が近いだけに、揉め事が起きやすかったのです。
机の下で蹴りあったり、机がぶつかって揉めたり、隣の生徒の回答を写すというのがよくありました。
また、「どの生徒をどの位置に座らすか」というのも時間をかけて考えました。
「この2人が近くになったらうるさくなる」「この2人を隣にしたら勉強を教えあうことができるだろう」「この子は先生の近くがよい」
など、色々提案して配置を決めました。
また、この教室は縦に長い教室なので、後ろの生徒が見えなくなってしまうという懸念がありました。
しかし、上手くいかなかったら、また違う陣形を試してみればいいだけです。
「新しいことをどんどん挑戦してどの測定方法が、一番生徒の能力を引き出すことができるかを実験し続けることが重要である」
日本とアメリカの教育方針の大きな違いとは?-教育実習7日目- - 日本人は1人だけ!アメリカの大学で教育を学んでみる
アメリカの教育実習先の担当のケリー先生が言っていた言葉を思い出しました。
とにかく、色々試してみてどの席配置が一番教室に合うかを見極めてみようと思いました。
また、ビヘイバー・チャート(Behavior Chart)を使うことにしました。
これは生徒が良い行いをしたら生徒の名前が書かれた紙が上がり、
反対に、授業を妨害する行動などをした場合は名前が下がる仕組みです。
そして、「良い行動」や「悪い行動」が起きたらできるだけすぐに、なぜ良いか悪いかを簡潔に説明して名前を動かすことがポイントです。
こうすることで、罰や力を使うことなく、その行動が良いのか悪いのか視覚的に理解することができます。
一番上には「星マーク」、だんだん笑顔が曇っていき、一番下には「ストップ」という文字がああります。
そして、生徒たちに
「1日の終わりにスターの位置で終わったら、 スターのスタンプをあげるよ。」
「そして、スターを5つ集めたら、 金曜のお菓子の日にサービス券がもらえるよ。」
と伝えました。
これを聞いて生徒はシャキッとし始めました。笑
そして、授業は今までは全く使っていなかったワークブックを中心に進めるようにしました。
これによって生徒の空白の時間を少しでもなくします。
今までは先生が黒板に板書をする時間が「何もしない時間」となり、 その間に生徒が荒れ始める光景を何度も見ていました。
しかし、 ワークブックを使うことでその空白の時間をなくすことができます。
また、ワークブックの問題でも比較的簡単な問題から始めて、「できる」という感覚を身につけさせることも狙いでした。
問題がすらすらできると自然に「できる喜び」を生徒たちが感じ始めて、結果的に生徒たちは、黙々とワークブック進めてました。
少し集中が切れた時には、 チャートを使って行儀よくすることがご褒美に繋がることを思い出 させます。
本当だったら、このチャートなんか使わずに生徒を落ち着かせればいいのにな。。。
と力不足を痛感しながらも、「しーんとする」瞬間がなんども訪れたことには満足でした!!
「しーんとした」時には、すかさずに穏やかな声で、「この落ち着いてる状態はみんなが勉強に集中できてとてもいいね」ということを伝えます。
そのようなことを繰り返している間に、あっという間に一日が終わりました。
特に 大きな事件もなく無事に終了しました。
放課後には次の日のために、教室の掃除をしました。
先生の机の上はプリントが散乱状態。
散らかってる先生の机を毎日見てる生徒に、「教室を綺麗に使え!」といっても説得力がありません。
棚や、 机の下から出てくる大量のプリントを整理するのに2時間以上かかりました。
片づけが終わった後に、ようやく帰路に就きました。
帰りのバスでは、一日の疲れと無事に終わった安心感でうとうと寝てしまい、降り過ごしてしまいました。笑
2年生と正面から向き合って、かなり自分のエネルギーを使い果たしたみたいです。
しかし、この疲れはなんだか気持ちの良い疲れでした。
<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>