人を動かす鉄則~インドでの家庭訪問から学んだこと~
日本のアニメや漫画は海外でも有名です。
しかし、どのアニメや漫画が人気かは国によって異なります。
アメリカではナルトやワンピースが流行っていました。
アメリカで教育実習した時の最初の質問もナルトについてでした。笑
また、図書館には日本の漫画コーナーがあるほどです。
詳しくはこの記事に書いています。
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スワジランドで流行ってたのはドラゴンボールでした。
なぜか生徒の間で、僕のお兄さんが悟空という設定になっていました。笑
そして、インドで流行しているのは
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「ドレもん」です!!!
「ドレもん」とは「ドラえもん」のこと。
インドでは「ドラえもん」と発音されずに、「ドレもん」とみんな言っています。
僕も黒板に書いてみたら、生徒たちは大喜び。
ドレもんコールがおこりました。笑
そして、放課後には家庭訪問に連れて行ってもらいました。
メンバーはTeach For India から派遣されている3人の先生とその育成担当のマネージャーと僕を含めた5人。
今回訪問するのは学校でよくトラブルを起こす生徒の家。
学校から車で15分くらいのところでした。
家は板を組み合わされただけで、南アフリカのスラム街で見た家と似ていて、こんなかんじでした。
家のドアをノックすると、愛想がよさそうなお母さんが迎えてくれます。
家の中にあるのは、汚れたキッチンと2つのベッドのみ。
床のコンクリートは剥がれていて、とてもきれいといえる状況ではありません。
屋根は板が置かれているだけで、雨が降ってきたら雨漏りは避けられなさそうです。
トイレやシャワールームもなく、どこで体を洗っているのか疑問に思いました。
宿題をするための机などはもちろんなく、勉強する環境は家に整っていないのは一目瞭然です。
早速、先生たちが話を始めます。
「学校でトラブルを起こすこと」、「宿題をやってこないこと」、「生徒の成績がよくないこと」、「家で暴力をうけていると聞いたこと」などを話していきます。
保護者は生徒の学校の状況を聞いて 、渋い顔をしていました。
また、家庭訪問している際にも母親が生徒を叩いているの見ました。
先生が止めるように話すと、
「良くないとは思っているが、自分も同じように育てられたので反射的にしてしまう。習慣のようなもので、簡単に直せない。」
と言ってました。
話をよく聞いてみると、父親がよくお酒を飲んで自宅に帰ってきて、子どもたちに暴力を加えるということがわかりました。
「子どもへの暴力を止めること」、「家で宿題を手伝って欲しいこと」を念押しして学校に戻りました。
家庭訪問は生徒の親と直接会えるだけではなく、家庭の様子を見ることができるので生徒のことを知る貴重な機会でした。
学校に戻った後に、家庭訪問の様子を見ていたマネージャーは3人の先生に重要なことを伝えました。
「子どもと接する時と同じで、最初に親と信頼関係を築かなければいけない。信頼関係が構築されてない状態で、「こうしてほしい」と要求してもなかなか受け入れてくれない。」
このことを聞いて、僕が塾で働いていた時の苦い経験を思い出しました。
6年生の受験生を受け持つことになって、最初に電話した時のことです。
僕は「今の学力では志望校に受かることは難しい。基礎がぜんぜん固まっていない」
という趣旨のことを言って、保護者が不機嫌になってしまったのを覚えています。
今思えば「信頼関係ができてない時に否定的なことばかりを言うのは相手に悪印象を与える」とわかりますが、その当時は気づきませんでした。
結果的にその子は第一志望に合格することができたのですが、最初の電話でもう少し保護者のことを考えていたら、その後もっとスムーズにコミュニケーションを取れていた思います。
「信頼関係の構築」
これは、保護者だけではなく子どもと接する時にも最も重要な要素の1つだと思います。
子どもが動くかどうかは「先生との信頼関係」が大きく影響します。
「先生のことを好きになると、その先生が教える教科のことも好きになる」っていう経験は皆さんもあると思います。
また、多くの論文で「生徒と先生の良い関係が成績向上だけではなく、生徒の精神的な支えになる」と述べられています。
先生と生徒の信頼関係が構築されていると生徒が「学校を辞める」可能性が半分になるというデータもあります。
教える教科の知識を知っていることはもちろん重要ですが、生徒と「繋がる」ことができるかというのも同じくらい大事だと思います。
当たり前のことですが、家庭訪問を通して改めて感じました。
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