日本人は1人だけ!アメリカの大学で教育を学んでみる

日本人は1人だけ!アメリカの大学で教育を学んでみる

休学してアメリカのリベラルアーツカレッジで教育を学ぶ学生。アメリカ留学2年間終了後、アフリカに行き、インド、南米の学校で働いてた。多くの教育関係者、海外に興味を持った方に読まれるブログを運営中。

先生の本音の告白~スワジランドで教育実習~

 

僕の今通っている学校は約15年前に立てられた学校です。

 

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しかし、学校の設備は充実しているとは言えず、トイレも男女2つずつしかありません。

 

ちなみに学校のトイレは水洗式ですが、僕の滞在先のトイレは水洗式ではないです。。。

 

トイレに行くと臭いとハエがすごいですが、だんだん慣れてきました。

 

慣れってすごいですね。笑

 

また、この学校は私立の学校なのですが、非営利の学校です。

 

僕が現在滞在しているNGOのリーダーの方が中心になって学校を建てました。

 

その方は、自分の娘を体罰が蔓延している公立学校に行かせたくなかったことから、自分で学校を建ててしまいました。

 

「なかったら作ればいい」というシンプル且つ大胆な発想

 

それにしても、学校を建ててしまうなんて只者ではないです。

 

その学校ですくすく育った娘さんが、今では大学生になってアメリカのアイオワの大学に行っています。

 

そのアイオワの大学が僕の留学していた大学でした。

 

その関係で、僕の大学とスワジランドの学校が繋がり、僕が大学から初めてスワジランドに派遣される生徒となりました。

 

大学入学する前は自分がアフリカにいるなんて思ってもいなかったです。

 

人生って本当に何が起こるかわからないですね。

 

さて今日は、スワジランドの5年生の時間割を紹介します。

 

<1日のスケジュール>

 

8:00 - 8:50   理科

8:50 - 9:40  体育

9:40 - 10:30  算数

10:30 - 11:00 休み時間

11:00 - 11:50 スワジ語

11:50 - 12:40 英語

12:40 - 13:30 宗教

13:30 - 14:30   伝統文化/演劇/スポーツ/ヒップホップ

 

授業時間は50分です。

 

アメリカでは43分でしたがスワジランドは50分ときりがいいです。笑

kyouikuwoamerikade.hatenadiary.jp

 

時間割をよく見るとわかると思いますが、授業と授業の間の休み時間がありません。

 

教室移動があることが多いので、授業が遅れて始まるのは珍しくないです。

 

時間はまあまあルーズです。笑

 

また、お昼の時間と中休みは合わせて30分間です。

 

生徒たちは毎日お弁当を持ってきて、急いで中休みに食べます。

 

給食はありません。

 

サンドイッチを持ってくる子が多いですが、ケンタッキーのチキンを丸ごと持ってくる子どもいます。笑

 

また、金曜日は休み時間が2倍の1時間あり、その間に「学校のお菓子屋」が開かれます。

 

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毎週金曜日は、学校が生徒にお菓子を売って、生徒たちはアイスやキャンディーなどを買って食べることができます。

 

生徒たちは金曜日はいつも楽しそうです!

 

これは学校が資金集めのために始めたらしいですが、今では面白い学校文化になっています。

 

また金曜日は、1時間学校が早く終わる日でもあります。

 

他の曜日では、13:30から教室外活動がありますが、金曜日はありません。

 

金曜の放課後に、2年生の教室に行ってみました。

 

そこには、2年生の担任の先生が疲れた様子で椅子に座っています。

 

「大丈夫ですか?」

 

と聞くと、

 

「毎日毎日怒ってばっかで体がもたない」と。

 

僕はこの2年生の先生が怒っているのをよく見るので、毎回エネルギーをかなり使ってるのは見て取れます。

 

 その様子は以下のこの記事に書いています。

kyouikuwoamerikade.hatenadiary.jp

 

そして、

 

「俺は毎回毎回怒鳴っているけど、本当はこんな教え方をしたくない。」

 

と、先生が本音を漏らしました。

 

「去年は俺はこんな教え方をしていなかった。この2年生の担任になってから教え方を変えなければいけなかった。

 

「2年生の担任になって一週間経った時、俺はこの仕事を辞めたくなった。生徒は誰も言うことを聞かない、生徒は立ち上がる、喧嘩をはじめる。俺は生徒に厳しくならなければいけなかったんだ。

 

初めて聞く担任の先生の本心の言葉でした。

 

今までは、「怖い厳しい先生だな」と思っていたのですが、このような思いがあったなんて知りませんでした。

 

教え方を見てると、「生徒のことや教えることが本当に好きなのかな。」と疑問に思ったありました。

 

しかし、思えば「子どもが嫌い」で先生になる人なんかいないですよね。

 

これに気づいたら、先生が違うように見えてきました。

 

「何か手伝えることがあったらいつでもいってください。」

 

と言って、来週はできるだけ2年生の先生を助けようと心に決めました。

 

<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>
 
 

 

アメリカの教育実習と決定的に違うこと

 

学校に行くために毎日バスに乗ります。
 
 
毎回15リランゲニ(スワジランドの通貨)かかります。
 
 
この15リランゲニは日本円にしてだいたい100円ほど。
 
 
そして、この15リランゲニは南アフリカの通貨と全く同じ価格です。
 
 
つまり、15リランゲニ(スワジランド) = 15ランド (南アフリカ)
 
 
なので、スワジランドでは南アフリカの貨幣とスワジランドの貨幣の両方が流通しています。(※南アフリカではスワジランドのお金は使うことはできません)
 
 
島国で隣国のない日本ではなかなか考えられないですよね。笑
 
 
スワジランドの独特な文化です。
 
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今日は学校に着くと早々、生徒の泣き声が聞こえました。
 
 
生徒が泣くことは頻繁にあります。
 
 
理由はそれぞれですが、生徒間の揉め事が原因のことが一番多いです。
 
 
生徒が僕のところに来て泣き続けます。
 
 
泣き止むのを待って、生徒に事情を聞きました。
 
 
どうやら他の生徒に叩かれたらしいです。
 
 
そして、その生徒を呼んで叩いたのかを確認して、なぜ叩いたのかを聞きました。
 
 
そしたら、泣いてる生徒が最初にちょっかいを出したといいます。
 
 
小さい子の喧嘩によくある感じですね。
 
 
どっちが悪いというよりも、どっちも悪い。
 
 
なので、お互いを謝せることに。
 
 
「喧嘩しちゃうことってあるよね。先生も小さい時はよく喧嘩したんだよ。でも、大事なのは喧嘩した後なんだ。」
 
 
友達を傷つけた後に、きちんと謝ることが大事なんだよ。
 
 
と言って、お互い謝らせます。
 
 
きちんと謝った後は、
 
 
「よく謝ったね。偉いね。仲直りの握手しな。」
 
 
と言って、握手させました。
 
 
その後2人は、「このゲームしよう!」って言って仲良く去って行きました。

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スワジランドの教育実習では、授業だけではなく、このように生徒たちの揉め事の仲裁をすることがよくあります。
 
 
先生になったらよくするであろう仲裁の実践練習になってます。
 
 
また、算数を教えてた時に消しゴムを投げてたのを見つけたことがありました。
 
 
「消しゴム投げないでね」
 
 
と優しく注意しました。
 
 
しかし、それを完全に無視して消しゴム投げ続けます。
 
 
今度は生徒の目の前まで行って、真剣なトーンで注意をしました。
 
 
本気で僕が言っているということをわからせるためです。
 
 
普段の担当の先生の時は消しゴムを投げたりはしないのですが、僕になった途端に投げ始めるのが見てわかります
 
 
生徒たちは賢いので、どこまでこの先生が許すのかと試しているのです。
 
 
なので、「やってはいけないこと」に対しては「いけない」と厳しく生徒に言いました。
 
 
このように生徒を注意することや生徒指導などは、アメリカの教育実習ではしませんでした。
 
 
しかし、スワジランドでは生徒への注意や生徒指導をよくする機会があります
 
 
前回の教育実習の体験後に、「教育実習は良いとこどり」と書きましたが、今回は先生の苦労する面も体験することができています
そして、その後は2年生の教室にまたまたお邪魔してました!
 
 
すると今度は先生から、
 
 
「ハンドライティングの授業やって。」
 
 
と言われました。ハンドライティングの授業とは生徒が「書く」練習をする授業で、先生が黒板に書くものを生徒はそのまま写します。
 
 
アルファベットの文字を最初は書いていたのですが、生徒の書く練習になると思って漢字なども書きました。
 

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ちゃっかり自分の名前を生徒たちに書かせてます。笑
 
 
生徒たちは意味もわからずに書き写していました。

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しかし、この漢字が何人かの生徒には難しすぎたのか、生徒が書くことに退屈し始めました。
 
 
そして、また例の「消しゴムがない」「鉛筆を削る」「トイレに行きたい」を言ってきて、混乱状態の幕開け。。。
 
 
そしたら、
 
 
「席に着け!!!黙れ!!!次に話し始めたやつは外に出すからな!」
 
 
という声が。
 
 
2年生の担任の先生が怒鳴りました。
 
 
 
そして僕に、
 
 
「生徒に優しくしてもだめなんだよ。そんな優しくしてるから生徒が言うことを聞かないんだ。もっと厳しろ。」
 
 
と、生徒の前で言いました。
 
 
おおお。
 
 
。。。
 
 
 
。。。
 
 
 
言われた僕はなんだかいきなり言われてびっくり。
 
 
「生徒との距離のバランス」は大事だと思いますが、ひたすら厳しくするのもどうなのかなと疑問に思います。
 
 
「先生」という権力を使って、生徒を従わせるのには賛同できません。
 
 
でもまあ、そんなことも言えずに、「ああ。はい。」とやり過ごしました。
 
 
「生徒を動かす」のは罰でも権力でもないべきです。
 
 
しかし、僕はまだ生徒を動かすことが完全にはできていないので反論はできません。。。
 
 
2年生の教室での葛藤は続きます。
 
<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>
 
 

即興授業 ~スワジランドで教育実習~

 
 
学校に着いて一番初めにすることはお湯を沸かすことです。
 
 
スワジランドでは基本的に煮沸しない限り、水を飲むことはできません。
 
 

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水が出ないときや、蛇口から泥水が出るときもたまにあります。
 
 
もちろんお湯は出ないので、シャワーを浴びるときなどはお湯を沸かして、それを体にかけながらシャワーを浴びます。
 
 
日本で「当たり前」に水が飲めることや、お湯が出るありがたさをスワジランドでひしひしと感じています。
 
 
今日は、6年生のクラスにお邪魔しました。
 
 
話題は「HIV/AIDS」についてです。
 

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小学6年生からHIV/AIDSというかなりディープなトピックについて学んでいるのには、スワジランドではHIV/AIDSが蔓延しているという背景があるからです。 
 
 
スワジランドは、アフリカの国の中でもHIV/AIDSの有病率が最も高いうちの1つの国です。
 
 
HIV/AIDSに感染して死亡してしまう人は多く、また、HIV/AIDSの人に対する差別も少なくありません。
 
 
HIV/AIDSに対しての正しい知識を持っていない人は、HIV/AIDSと診断された人と接することをやめたり、感染者の人間性を否定し始めます。
 
 
実際は、HIV/AIDSは空気感染や飛沫感染などを通しての感染はありませんし、人間性とは一切関係ありません。
 
 
そのような正しい知識を教えるために、学校では比較的早いうちからHIV/AIDSについて教えてました。
 
 
住んでいる場所が違うと、知らなければならないことも異なります。
 
 
それに伴い、学校の授業内容も変わっていくのだなと知りました。
 
 
そしてその後は、2年生の教室にまたお邪魔しました。
 
 
2年生は「学校一手に負えないクラス」と言われて、このクラスの見学はなかなか見応えがあります。笑
 
言うことをしっかり聞く生徒たちよりも、何も聞かない生徒たちに対してどうアプローチするかを見て考えた方が将来の自分の役に立つと感じたからです。
 
 
この日もいつもと同じように、生徒たちは話す、席を立つ、ちょっかいを出し合うと生徒のやりたい放題です。
 
 
それを見た先生は、怒鳴る、廊下に立たせる、空気いすをさせる、などを使って生徒たちと奮闘しています。
 
 
よく観察してると、生徒が騒ぎ始める1つの理由に、鉛筆、消しゴムの貸し借りが原因であることに気づきました。
 
 
何かあるたびに、「ペンがない、消しゴムがない」と始まり「貸して、貸したくない」などの問題が生じます。
 
 
そして、消しゴムを借りるために席を立つ、鉛筆を削るために席を立ち始める。
 
 
そして、先生が怒鳴り始めるが生徒はペンがない。
 
 
この悪循環でした。
 
 
そんな中、
 
 
「授業手伝いましょうか?」と先生に言ってみました。
 
 
そしたら、
 
 
「じゃあこれやって」
 
 
と言われて、授業をその場で任せてもらうことに。
 
 
即興で授業の展開を考えて、すぐさま授業。

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内容は英語の比較の授業でした。
 
 
背が高い(tall)
 
 
という単語の比較級(taller)・最上級(tallest)を教えるために、実際に全員の生徒に前に来てもらって、背を比較することに決めました。
 
 
単語を説明するよりも、実際に単語を使って理解して欲しかったからです。
 
 
黒板の前に来てもらうことで、少しでも授業の中に「動き」を取り入れようという狙いもあります。
 
 
そしたら、黒板の前に来るために生徒が走り出しました。。。
 
 
そして、黒板の前で押し合いが始まります。。。。
 
 
慌ててみんなを席に戻して、2人だけを選んで前に立ってもらうことに。
 
 
選ばれた2人は少しでも自分を大きく見せようと、つま先立ちをしてます。笑
 
 
「デイビッドはロメオより大きい。」
 
 
tallerという単語を使って、例文をみんなで考えます。
 
 
そしてその後は、もう一人生徒を呼んで三人の中で誰が一番背が高い(tallest)かを決めます。
 
 
「誰が一番大きいかな?」と聞いて、
 
 
「アンディーレは背が一番高い。」
 
 
という、例文をみんなで作った後、
 
 
「ちょっと待って。Mr. Masakiが一番背が高いよ。」
 
 
と生徒に言われて、変更して書き直しました。笑
 
 
これらの例文を黒板に書いて、生徒はノートに写していきます。
 
 
例文を一文書き終わる毎にチェックマークを付けていくと、生徒たちはチェックマーク欲しさに一所懸命書き始めました。
 
 
全部の例文を書き終わった後に、「はなまる」を書いてあげると、今までに「はなまる」をみたことがなかったらしく、
 
 
「Mr Masakiがフラワーを書いた!!」
 
 
と興奮して周りの生徒たちに見せました。それを見た周りの生徒たちは、
 
 
「自分にもはなまるを!!」
 
 
と、よりいっそう一生懸命書き始めます。笑
 
 
結果的に、生徒たちは集中的に取り組んでいました。
 
 
この授業をやってわかったことは、
 
 
「説明が明確であること」課題のレベルが生徒に合っていること「空白の時間を作り出さないこと」という基本的なことが大事であること。
 
 
逆に、「やることがわからない・することがない」という空白の時間を作り出したり、「課題が生徒のレベルに合っていない」と生徒たちは一気に鉛筆で遊び始めるか、友達にちょっかいをだし始めたりします。
 
 
生徒は「やることが明確で自分のレベルに合ってる」と集中的に取り組んでいました。
 
 
少し生徒をコントロールするコツを掴んできたような気がします。
 
 
このクラスで経験を積んで、もっと授業のスキルを磨いていきたいと思います。
 
<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>
 
 
 

自分が本当に伝えたいこと~スワジランドで教育実習~

 

今日は学校で6年生が家庭科の授業をしていました。

 

スワジランドの料理の作り方を習うことで、国の伝統を守っていこうとしています。

 

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出来上がった料理を食べさせてもらったら、すごい美味しかったです!

(料理名はわかりませんでした。笑)

 

スワジランドの料理は個人的にかなり好きなのが多いです。笑

 

そしたら、「今度日本料理を作ってよ~」

 

と先生に言われました。

 

「作りたいんですけど、材料が手に入らないんですよね~」とやんわり断ったら、

 

「南アフリカの大きいスーパーマーケットなら何でも手に入るから買ってくるよ!」

 

と言われて、今度日本料理の作り方を教えることに。笑

 

材料が本当に手に入るのか日本料理を上手く作れるのか生徒たちは日本料理を気に入るのか(気に入らなかったら僕が全部食べます)、

 

不安要素ばっかです。笑

 

でも、とにかく挑戦してみます~!

 

そして、その後は英語の授業を見学させてもらいました。

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生徒たちは英語の「文法」を習っていたのですが、英語で学んでいます。

 

日本みたいに、日本語で英語を学習するのではないです。

 

そして、他の科目、算数、社会、理科なども全て英語で習います。

 

彼らが英語を話すのは学校だけです。家ではスワジ語を話します。

 

なので、スワジ人は全員バイリンガルなのです。

 

これって、日本の英語教育が目指していることではないでしょうか。

 

その秘密を探るべく、

 

英語の先生に「どうやって彼らは英語とスワジ語の両方を学んでいるんですか?」

 

と、聞いたところ先生は

 

「子どもたちは幼稚園から英語を習い始めているから、言葉を話し始める時には既に英語の感覚を掴んでいる」

 

と言っていました。

 

これは、「英語に触れる機会が長い」というのと「英語を話す機会が十分に用意されている」ということです。

 

子どもたちは、幼稚園の時から英語に入り浸っているのです。

 

日本も幼稚園の時から英語を教え始めればいいんですね~。

 

しかし、これを日本の公立教育で達成するのは現段階で難しいです。

 

スワジランドの英語教育が始まったのもイギリスの植民地だったからなので、そのぐらいの強制力がないと日本では厳しそうです。

 

また、「ネイティブレベルの英語を話す必要があるのか」という疑問点が浮かび上がります。

 

「ネイティブレベル」が必要ではないとしたら、「ビジネスレベル」なのでしょうか?はたまた「日常会話レベル」なのでしょうか?

 

高校の英語の学習指導要領には「プレゼンテーション」や「ディスカッション」を英語でできることが指標のひとつに入っています。

 

これは、「ビジネスレベル」に近く、今の学校教育の「英語を話す機会」と「英語を聞く機会」の数から考えると、厳しいのかなと感じます。

 

では、この限られた状況で何ができるのでしょうか。

 

英語を話せるように教えることも大事ですが、「自分で英語を勉強したい!」と思わせることが必須なのではないのかと思います。

 

僕は去年の夏に、「将来、翻訳機が発達したら英語を話せなくてもコミュニケーションが取れるようになるだろう。もしそうなったら、英語の先生ができることはなんだと思う?」

 

と聞かれました。

 

この時僕はすぐさま答えを言うことができませんでした。

 

また、「要は、君は何を生徒に伝えたいの?」と別の先生にも聞かれました。

 

この時も上手く答えられなかったのを覚えています。

 

しかし、それから1年経って、この問いの答えを見つけられたような気がします。

 

自分が伝えたいこと、

 

それは、「世界の魅力」です。

 

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「英語を教えたい」「英語を話せるようにさせたい」というよりも、「生徒に世界に興味を持ってもらいたい」です。

 

そして、「世界に興味を持ってもらう」ための一番いいツールは英語を教えることを通じて「自分の経験」を語ることなのではないかなと考えています。

 

英語を使って海外の人と交流したこと、海外で自分が失敗したこと、異なる文化で新しく発見したこと、などです。

 

そして一人でも多くの生徒が「自分も海外に行ってみたい!」と思ってほしいです。

 

「教える」ことよりも「学びたい」という気持ちを育むこと。

 

これができたらいいなと思います。

 

日本では英語を教えることを通じて、アメリカやスワジランドでは日本のことを話すことを通じて、「世界に興味」をもってもらいたいです。

 

こんなことを考えた一日でした。

 

<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>
 
 

生徒を勉強に集中させる秘密とは?~スワジランドで教育実習~

 
「4×7=28、4×8=32、4×9=36」
 
8時から授業が始まると、隣のクラスから元気な声が聞こえてきました。
 
3年生が九九の音読練習をしています。
 
アメリカでは決して聞くことのなかった九九。
 
自分の何人かの友達にも聞きましたが、「アメリカでは九九を覚えない」、と言ってました。
 
「4×10=40、4×11=44」
 
あれ??
 
「4×12=48!、5×1=5、5×2=10・・・・・・・・5×12=60!」
 
 
この学校では九九は12の段まで覚えるみたいです。

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そういえば、マレーシア出身の友達も九九は12段まで覚えたと言ってました。
 
九九をどこまで覚えるのかは国によって違うんですね。
 
そして、今日はずっと2年生の教室にいました。
 
先日見た光景の秘密を探るためです。
 
「学校で一番手に負えない」と言われる2年生が、ちゃんと椅子に座って勉強をしていたのです。
 
一見当たり前に聞こえますが、これは実は簡単ではないことを僕は身をもって体感しました。
 
 
秘密を暴こうと教室に張り付きペンとノートを取り、必死にメモを取り続けました。
 
そして、1つの結論が出ました。
 
生徒が先生に従う理由、
 
 
それは
 
 
「罰」です。

 

このクラスでは、生徒が先生の言うことを聞かないと罰を受けます。
 
罰は様々ですが、「怒鳴る」ことはもちろん、「黒板の前に立たされる」、「教室の後ろで空気イス」、「外に出される」、「校長室に送らされる」などです。
 
「次話したら外に出すからな」
 
と生徒に警告します。
 
5分後くらいに、生徒は話してしまいます。
 
そして、生徒は本当に外に。
 
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外に出されるのは10分くらいから長いのは40分までありました。
 
40分って、50分の授業時間の8割です。
 
空気イスは「もっと下げろ」とできるだけ膝を曲げるように言われます。
 

「次席立ったらこの携帯ですぐさま親に電話をかけるからな」というふうに言われることもあります。

 
これが生徒達が言うことを聞く理由でした。
 
しかし長い間観察してると、この罰の効果が完璧ではないことに気づきました。
 
罰で脅しても、彼らは同じ行動を繰り返すのです。
 
席を立つな、と言っても席を立ってしまいます。
 
話すな、と言っても話してしまいます。
 
そして罰を受けます。
 

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そして、学習する機会を失います。
 
中には、罰を受けたくなくて泣く生徒もいます。
 
こういう場面を1日で何回も見ました。
 
罰を受けた後は一時的に、子供たちは静まります。
 
こないだ僕が見たのはこの瞬間でした。
 
しかし、しばらくするとまた生徒が話し始めたり、席を立ち始めたりします。
 
そして罰を受けます。
 
この繰り返しでした。
 
授業を見ている中で、とりわけ2人の子供が集中的に罰を受けていました
 
1人は一番前に座っている子で、もう1人は一番後ろの子どもです。
 
後ろに座っている子は、以前に僕が居残りの手伝いをした子でした。
 
この2人を観察してると、2人とも周りの音に敏感、周りの刺激に影響を受けやすいということに気づきました。
 
そして、何かをしたいという衝動を抑えられないのです。
 
例えば、「答えがわかった瞬間に、待てずに答えを言ってしまう。」
 
「外に出るときに、列に並べず外に出ようとしてしまう」などです。
 
これらはADHDを持っている子どもに見られる行動です。
 
そして、そのような子どもには罰よりもむしろ褒めて長所を伸ばしてあげることのほうが重要です。
 
「何をしてはいけないか」よりも「何をすればいいか」を教える必要があります。
 
子供は一人一人違うので、一人一人の学ぶ方法も違います。
 
運動が得意な子や、音楽が得意な子、算数が苦手な子もいれば、集中するのが難しい子もいます。
 
なので、一人一人違ったサポートが必要なのです。
 
特に、ADHDを持っている子どもは大抵怒られることが多いです。
 
このまま罰を受け続けると、自尊心が低下して、「自分はダメな子どもなんだ」と思ってしまいます。
 
それを防ぐためには、多少の間違った行動は無視して、できるだけ褒めてあげることです。
 
そして、どうしても必要なときには指導をしてあげることが重要です。
 
 
罰を与えるよりも、なぜそれがいけないのかという指導が生徒には必要です。
 
 
「罰を与えることなく、子どものやる気を引き出して、勉強に集中させる。」
 
 
これからの期間で、どうやったらこれを達成できるかを模索してみたいと思います。
 
 
アメリカの教室とはまた一味違う教室を見ることができて、いい経験になってます。
 
<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>
 
 
 
 

アフリカの醍醐味!サファリパーク!

 

金曜日に学校が終わってから、学校からそのままサファリパークに行ってきました!

 

宿泊してるNGOの方々がちょうどサファリパークに行くということだったので、運よく一緒に連れて行ってもらいました。

 

場所は、スワジランドから北上して国境を越えた南アフリカの「クルーガー国立公園」です。

 

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 総面積は日本の四国がすっぽり収まる大きさ。

 

 

早朝に活動する動物が多いので、前日にサファリパークの近くでキャンプをして、朝4時に起きてサファリパークに乗り込みます。

 

 

こないだしたばっかなのに、またキャンプです!

 

2回目とあり、手際よくテントを組み立てます。  

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翌朝に、近くで車を借りて、人生初のサファリパーク!

 

サファリバークのイメージは完全に「富士サファリパーク」です。

 

頭の中で、「ホントにホントにホントにホントにライオンだ!近すぎちゃってどうしよう~、可愛くって~、どうしよう、富士サファリパーク!」

 

の歌が流れます。笑

 

このサファリパークは、自家用車で入ることができ、自分で運転できます。

 

僕もアフリカ&サファリパークでの初ドライブをしてきました!

 

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アフリカのサバンナの朝日はきれいです。

 

 

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朝日に目が釘付けになっていると

 

 

「ガサガサッ、ガサガサッ」

 

といって現れたのは

 

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キリン!!!!

 

 

 

テンションがあがります!!

 

幸先の良いスタート!!

 

そして、シカの群れも!

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さらに野生のゾウも!

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ち、ちかい!!!

 

さすがにこの近さにはちょっとびっくりしました。笑

 

もう少しで、車にぶつかってくるところでした。

 

カバやクロコダイルも見ることができました!

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終盤には、バッファローとシロサイも!!

 

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シロサイはけっこう見ることが難しいので、ラッキーでした!

 

しかし、一番重要な動物がまだ、、、、

 

そうです、「百獣の王」ライオンがまだ見ることができていません・・・

 

このサファリパークは富士サファリパークなどど違って、野生の動物が住んでいるところを車で探索するので、ライオンなどが見れないのは珍しくないそうです。

 

そして、1日20時間眠ることもあるというライオン。

  

帰宅時間になり、諦めかけて、出口へ向かっている途中に、他の車が何台か止まってるのが見えました。

 

「何見てるんですか?」

 

と聞いてみると、

 

 

「ライオンだよ!!」

 

という答えが!!!!

 

ライオン!!!

 

遂にご対面です!!

 

野生のライオン!!

 

車を道路に寄せて、緊張の瞬間。。。

 

。。。。

 

。。。。

 

あれ、、、、

 

どこ???

 

見えない。。。。。

 

ライオンが見えません。。。

 

しかし、

 

「あっ、いたっ!!」と言う声が。

 

よく見てみると、遠くですが茂みの後ろにいました。

 

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雄ライオンです。

 

じーと、立っています。

 

車を警戒しているのか、間近でみることはできませんが、 野生のライオンです!!

 

 

最後の最後に念願のライオンを見ることができました!

 

初サファリパークで、アフリカ初ドライブして、初野生のライオンを見て「初めて」づくしでした!!

 

アフリカの大自然を満喫できて、ちょうど良い息抜きの週末になりました~!

 

<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>
 
 

 

 

算数×日本文化×マジック!? ~スワジランドで教育実習~

 
学校には毎日バスで通います。
 
毎朝6時くらいに起きて、6時半のバスに乗ります。
 

 

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バスって言っても、日本のようなバスではなくワゴン車のようなものです。
 
大体40分くらいかけて学校に通います。
 
朝のスワジランドは寒いです。笑
 
なぜなら、今スワジランドは冬だからです!!
 
南半球にあるスワジランドは季節が日本と逆転します。
 
「アフリカの冬」ってなかなか想像できないですよね。笑
 
朝夜には8度ぐらいまでしっかり冷え込みます。
 
 
しかし、アメリカのアイオワで-25度を経験していたのでこんなのへっちゃら!!
 
と思っていたら今住んでいる所にも学校にも暖房がないのです!!
 
なので、毎日寒さとの戦いを強いられています。笑
 
 
そして、今日の単元は「角度」でした。
 
「鋭角と鈍角を見分けられるようになる」というも。
 
以前の復習から始まり、立方体の1つの角を用いて、これは何度?といって、復習から導入に持っていきます。
 
そして、ここで日本のお札を取り出しました。
 
1000円冊札です。
 

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子供たちは初めて見る日本のお金に興奮してます。笑
 
まずは、1000円札を子供に渡し実物のお金に触れさせます。
 
1000円札の裏側に描かれている、富士山について、この山登ったんだよーっていうのをも説明しました。
 
その後は、1000円札の角を使って、直角の復習を。
 
そして、1000円札の1つの角を斜めに折り曲げて、45度を作ります。
 
そして、「これって90度より大きい、小さい?」
 
と聞き、「小さい〜!」と言ったところで、このように90度より小さい角度を鋭角って言うんだよ。
 
という、前日に初めて知った鋭角という英語の単語をドヤ顔で紹介します。笑
 
そして、折ってできた135度の角度について、同じ質問。
 
「これって90度より大きい、小さい?」
 
と聞き、「大きい~!」と答えたところで、「これは鈍角って言うんだよ。」
 
鈍角は180度よりも小さくて、90度よりも大きいと定義し直して紹介しました。
 
そして、日本文化のあるものをまた取り出しました!
 
今度は扇子です!!!
 
 

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これにも子供たちはものすごく食いついてきます。
 
扇子を使った目的は、扇子の作る中心角で、「これは鋭角と、鈍角、直角?」という質問をするためです。
 
生徒は、扇子が開くと共に、鋭角から直角、そして鈍角というふうに徐々に角度の名前が変わってるのが見えます。
 
何気ないアイデアで、算数と日本文化を融合した授業になりました~。
 
海外に行くときに扇子は必須アイテムです!!
 
そして、最後は復習で、また1000円札の角度を札を折りながら聞いていきます。
 
生徒は、「もう知ってるよ〜」という顔で、直角、鋭角、鈍角、という様に答えていきます。
 
しかし、今回はここからがポイントです。笑
 
そういえば、去年アメリカにいたんだよねー。という話をします。
 
アメリカではお金の単位がドルで、1000円札は大体10ドルくらいなんだよねーと説明。
 
生徒は、またしても海外の説明が始まったと思います。
 
そして、お札の説明を止めて、更にお札を折ります。
 
折って、折って折り曲げっていって、
 
最後にお札に「ふっ」っと息を吹きかけました。
 
そうすると、あら不思議。
 
1000円札がいつの間にかアメリカの10ドル札に変わっていきました。
 
これには生徒も
 
「!!!!!!」
 
今日一番の食いつきです!
 
何人かは驚いて教室の後ろに逃げて行きました。笑
 
予想していなかっただけに驚きも大きかったみたいです。笑
 
そして、10ドル札を生徒たちに触らせ、本物でありタネも仕掛けもないことを確認させます。
 
「1000円札はどこ行ったの??」
 
という質問を無視して、今度は10ドル札を使って、角度の名前の復習をして授業を終わりました。笑
 
昨日とは違って、算数と日本文化とマジックを掛け合わせた自分にしか出来ない授業ができたんじゃないかなーと思います。
 
これからもオリジナルな授業をしていきたいなーと思います。
 
※生徒たちが興奮して集中できなくなってしまうので、マジックをするなら授業の最後です。
 
 
そして、授業が終わった後はまたほかのクラスを見学しました。
 
そして目にとまったのはやはり2年生の教室。
 
担当の先生がいる教室をのぞいて見ると、なんとあの2年生がちゃんと席に座って読み書きをしています。
 
 
なんと!!!
 
 
さすが担当の先生。
 
 
これが「経験の差」ですね。
 
 
昨日あれだけ世話を焼いた2年生たちが、先生の言うことをきちんと聞いています。
 
 
 
 
今日は見学する時間があまりなかったので、今度もっとじっくり観察して、どう学級経営しているのか秘密を探りたいと思います!
 
 
「他の先生の授業を見習って」どんどん吸収していきます!!
 

スワジランドでついに初授業!!

 
3日目にして初授業をしてきました!
 
前回の教育実習では、最終週までは授業の観察や先生の手伝いだったのですが、今回はすぐ授業をさせてもらいました。
 
結構色んな先生に、「うちのクラスで授業やる?」って聞かれるので、2回目の教育実習だから信頼されてるのか、授業をただ代わりにやってほしいだけなのかわからないですけど。。。笑
 
何はともあれ、授業を多くできて経験を積めるのはラッキーなので、どんどん授業を引き受けます。
 
塾講師時代もそんな感じで働いてたら、気づいたら1日中朝から夜まで15時間働き続きた時もありました。
 
さて、授業は5年生の「直方体」でした。
 
ちなみにこの地域の学校では、
 
幼稚園 3-5才
 
初等教育
1年生 6才
2年生 7才
3年生 8才
4年生 9才
5年生 10才
6年生 11才
7年生 12才
 
中等教育
8年生 13才
9年生 14才
10年生  15才
11年生   16才
12年生   17才
 
なので5年生の生徒たちは10才です。
 
この授業で意識したことは、できるだけ「算数と日常生活」を結びつけること。
 
「算数ってこんなところに使われているんだよー」っていうのを実感してほしかったからです。
 
教科書だけで勉強していたら、「何のために算数勉強するのだろう?」と思ってしまう生徒もいるかもしれません。
 
なので、身近にあるコーヒーの缶や本の箱、チョークの箱などを使って立体の形について説明しました。
 

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また、8角柱など身近に見つからなかった立体はプリントを紙とハサミを使って工作しました。
 

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そして、その中の1つの立体を解体して、展開図に繋げました。
 
教科書の展開図を見るより、実際に立体を展開したほうがイメージがわきやすいですよね。
 
立体を開く瞬間は生徒たちも「息を飲んで」見つめていました。
 
この生徒たちが夢中になって「シーン」となる瞬間はけっこう好きです。笑
 
そして、立体の特徴を解説するときには、後にある練習問題を使って解説します。
 
練習問題と同じものを使うことで、練習問題の時に「何も出来なくなる」ということを防ぐためです。
 
練習問題になった途端に、「何をすれば良いかわからない」という生徒がよくいます。
 
そうゆう生徒に「例題でさっき、みんなでやったよね!」
 
と言えば、彼らも思い出します。
 
そんな甲斐もあったからか、全員が練習問題を時間内に終わらせることができました。
 
大抵、何人かは終わらない生徒がいるので、全員終わっってよかったです。
 
そして、立体の解説中には「手に答えを書いて、正解だったらハイタッチ」というのもやりました。
 
「直方体の角はいくつでしょう?わかった人は手に書いて。」と言って、答えを手に書かせます。
 
日本では先生が手に何かを書かせるというのは衛生上物議を醸しそうですが、この学校の多くの先生が使ってたので自分もマネしてみました。
 
正解した時に「笑顔でハイタッチ」することで、セロトニン」を分泌させます。
 
「セロトニン」が分泌されると、生徒が「安心感」を持ちやすく、生徒と良い関係を築きやすくなります。
 
「微笑むこと」と「触れること」は、セロトニンを分泌させる方法のうちの1つです。
 
授業の最後に、最初に使った物をもう一回出して、「これはなんていう形だっけ?」というのを確認して終わりました。
 
授業も慣れてきて、見ていた先生に「テンポも授業構成も特に問題はない。」と言われました。
 
しかし、「普通」の算数をしただけで終わってしまった、というのが反省点です。
 
何か自分のオリジナリティーを出さなきゃなー、と感じました。
 
次の日では、また算数を担当するので、自分にしかできない算数の授業にしたいと思います!
 
そして、自分の授業後に他のクラスを回っていたら、2年生の先生が病院に行かなければいけなくなり、自分が読書の担当をすることになりました。
 
「読書」の時間は、生徒たちがそれぞれ自分で本を読む時間です。
 
ただ読んでいるのを「見ているだけ」。
 
 
 
なので、簡単です!!!
 
 
 
 
と思ったら、大間違いでした。
 
この2年生のクラスは「学校で一番手に負えないと言われてるクラス」で、席に座って本を読むということがとても難しかしいみたいです。
 
本を読み終わったら、次の本を渡すのですが、「その本はもう読んだ。読みたくない。難しいから嫌だ。」などなど。
 
また、1人の子どもが読んでる本の絵を周りに見せて、それを見に他の子どもが集まってきて。。。
 
 
動物園状態です。笑
 
 
でも、これは「元気がありあまっている」からであって、「彼らが悪いから」などではりません。
 
 
そんなとき、アメリカの学校での「読書の様子」を思い出しました。
 
みんなリラックスして、好きな体勢で本を読むことを楽しんでいました。
 
それを思い出して、生徒を外に連れ出し、外で本を読むことにしました。
 
 
おおー。みんなリラックスして読むの楽しそう。
 

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やっぱり、伸び伸びとしている姿を見るのは良いですね。
 
いやー、外に連れ出してよかったよかった。
 
 
 
と思ったら、5分後。
 
 
 
1人の生徒が地面にあった石を使って遊び始めました。
 
 
それを見た他の生徒たちもそれを真似し始めます。
 
 
石を投げ始めました。。。
 
 
そしてまた混乱状態に。。。。。
 
。。。。。。
 
一難去ってまた一難。笑
 
 
なんなかんやしている間に授業時間が終わりました。
 
 
このクラスなかなか手強いです。笑
 
 
さすが「学校一手に負えない」と言われてるクラス。
 
 
教育実習期間終了までにはなんとか攻略する方法を見つけたいと思います!笑
 
<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>
 
 

アメリカで学んだことをスワジランドで実践!

 

今日は社会の授業を見学しました。

 

単元は「政治体系」について。

 

先生はまずスワジランドの政治体系について話します。

 

スワジランドは国王が存在し、「君主制」と「国王が強大な権力を持つ伝統的な制度」が混合されたものが使われているみたいです。

 

現在の国王です。

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そして「君主制」の他にも、「民主制」や「独裁制」などの政治体系が紹介されていました。

 

「国それぞれによって、政治体系が異なるんだよ~」

 

と先生。

 

これはちょうどいいチャンスだ!と思い、日本の政治体系について少し話させてもらいました。

 

日本は大日本帝国憲法の下では、天皇制がとられ天皇が強大な権力を持っていたこと。

 

これは現在のスワジランドと少し似ています。

 

「でも、1945年のある出来事からその制度が変わったんだ。1945年は何の年か知ってる?」

 

生徒「第二次世界大戦が終戦した年!」

 

「そう!どうやって、戦争が終わったか知ってる?」

 

生徒「アメリカが日本の長崎と広島に爆弾を落とした。」

 

スワジランドの6年生が、長崎と広島の名前を知ってるなんてちょっと驚きでした。

 

第二次世界大戦の敗戦を原因に、憲法が変わり立憲君主制になったこと。その憲法はアメリカが草案を作ったことも説明しました。

 

そして現在、天皇は現在は政治的権力は保持せずに、「象徴」とされていること。

 

しかし、多くの人は天皇を崇高な人としてとらえていることなどを解説。

 

 「そしたら、そもそも第二次世界大戦は何ではじまったの?」

 

という良い質問が。

 

その質問は、担当の先生がわかりやすく第二次世界大戦の概略を説明してくれました。

 

日本の話から世界で起こってることに興味を持ってくれて良かったです!

 

授業後に「何を教えられるんだね?」と社会の先生に聞かれて、とっさに

 

「英語、、、、、、、、と算数も教えられます!」

 

算数も教えられる!と言ってしまいました。。。

 

僕が取得する予定の免許は中高英語なんですけどね。。笑

 

「そうなんだ。じゃあ、明日算数教えよっか!」

 

「はっ、はい!も、もちろんです!!汗」

 

と、次の日算数を教えることに。笑

 

算数は塾講師をしていた時に、受験算数を教えていたので、教えられることは教えられるんですが、算数用語の英語がわからない。。。

 

「単元はCuboidね」と。

.

「ふむふむCuboidね・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

ググる。。。。

 

「直方体」です!!

 

教えることの難しさよりも、単語を覚えることの難しさのほうが大変そうな気がします。笑

 

そんなかんやで、スワジランド一回目の授業は「算数」です!

 

その後に、クラスを回っていたら一人の2年生の男の子が教室に残っていました。

 

何してるの?と聞くと、「黒板に書いてあることをノートに書き写さなきゃいけなくて、残らされているんだ。」

 

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と言っていて、彼はまだ2行しか書いていませんでした。

 

しばらく彼の様子を見ていると、1単語書いてから次の1単語を書き始めるまでの時間がとても長いのに気づきました。

 

これはおそらく「情報量が多すぎて、どこを書いているのか、わからなくなっているんだな」。

 

と思って、次書く単語を指差して、どの単語を次書けばいいか一目でわかるようにしました。

 

そして、一行書き終わるごとに「チェック」をつけるという、「ポジティブ・レインフォースメント」を使い、やる気を継続させます。

 

この二つを続けるだけで、生徒の書くスピードが格段にあがり、あっという間に終わりました。

 

「先生ありがとう」と言われ、

 

「よくがんばったね」と言って、送り出しました。

 

今回は、「情報量が多すぎる」というのが問題であり、彼自身が悪いとか、怠け者だ、というわけではありませんでした。

 

こういった生徒は、よく「問題児」などど言われます。

 

しかし、「何が原因」かを冷静に分析して、それに対応した「サポート」を与えることで生徒の行動は大きく改善します。

 

アメリカで勉強した「教育心理学」と「Functional Behavior Analysis」が役に立ちました。

 

「Functional Behavior Analysis」とは生徒の問題行動を分析する方法で、生徒の一連の行動を

 

Antecedent    先行条件  

Behavior     行動    

Consequence  結果    

 

の大きく3つに分けて分析する理論です。

 

行動には必ず引き起こされる「先行条件」があり、その「先行条件」を何か突き止めることが必須です。

 

今回の場合では、

 

Antecedent    先行条件  多くの量の板書をノートに写す。

Behavior     行動    ノートを写さずに、他人にちょっかいを出し始める。

Consequence  結果     書くことを回避。

 

だったので、これを解決してあげればよかったのです。

 

「学んだこと」を「実践」に繋げることができたのでよかったです。

 

やっぱり、実践も「理論」もどちらも大事ですね。

 

さあ、明日は初授業です~!!

 

<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>
 
 

スワジランドの現地学校で教育実習!初日!

 

「ブッシュファイヤー」を満喫した、次の日は6時起きでした。

 

なぜなら、月曜日から教育実習が始まるからです。

 

アメリカで人生初の教育実習を終えた僕は、今度はどんな教育実習になるのだろうかとまたしてもドキドキワクワクでした。

 

「そもそもスワジ語話せないのに先生なれるのか?」と聞かれますが、スワジランドの公用語は英語とスワジ語で、僕の行く学校は授業を英語で教える学校なのでなんとかやってます。笑

(スワジ語で教えている学校もあります) 

 

7:30に学校に集合して、8時から朝礼開始!

 

 

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朝礼!!

 

アメリカではなかったなつかしの朝礼です。笑

 

朝礼では、先生の話や、国家を歌ったりします。

 

そして、朝会で僕のことが紹介されました!

 

子供達にとって、僕がおそらく人生初めての日本人でしょう。興味心身です。

 

しかし、アメリカの子供達と違うところは 、子供達が朝会後にすぐさま抱きついて来るところです。笑

 

ハグをする文化のスワジランドでは、子供達がめちゃくちゃくっついて来ます。笑

 

日本は握手もハグなく、「できるだけ触れないようにする文化」なので正反対ですね。

 

ハグの嵐を終えた後、担当の先生に挨拶をして、スケジュールのことを話して、、、

 

と思っていたのですが、担当の先生はいないみたいです!!

 

「自由に色んなクラスを回って」と言うことだったので、一番近くにあった5年生のクラスに行きました。

 

5年生の先生が授業終盤に、「質問ある人?」と聞いた途端に、子どもたちは我先にと争うように手を挙げ始めました。

 

最初の質問はこれです。

 

「中国語話せますか?」

 

「話せません!!!」

 

と即答。

 

スワジランドでよくあるのが、中国人と間違えられることです。

 

中国の会社がアフリカに進出して、アフリカにいる中国人の人口が増えたため、中国人をよく見かけるみたいです。

 

僕らが「ケニヤ人」と「スワジ人」を見分けるのが難しいのと同様、彼らも中国人と日本人を見分けることは難しいみたいです。

 

そして、気を取り直して次の質問に行きました。

 

「Helloって日本語でなんて言うのですか?」

 

予想していたこの質問。この質問は、日本語を教えたことのある方は分かると思いますが、ものすごく難しい質問です。

 

なぜなら、日本語には「Hello」に対応する言葉がないからです。

 

「こんにちは」を思い浮かべる人はいるかもしれませんが、「こんにちは」は「Hello」のように親しい友人などには使いません。

 

「こんにちは」は丁寧な挨拶で、目上や知らない人など、多少距離のある人に対して使います。

 

朝は「おはよう」と友達に言いますが、午後に言う言葉はみつかりません。(僕は大体友達の名前を呼びます)

 

なので、「Hello」に対応する日本語は存在しないのです。

 

しかし、それを5年生に説明するわけでもないので、一番「Hello」にニュアンスの近い「こんにちは」をやっぱり教えました。

 

新しい言語を聞いた彼らは「驚きの顔」をしていました。

 

ちなみに、教室はこんな感じです。

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教室にあるのは黒板のみ。ホワイトボード、プロジェクター、電子黒板などはもちろんありません。

 

アメリカの学校とは正反対です。

 

「そんな環境にいる彼らは可愛そうです。」

 

と、言いたいのではありません。

 

この学校の生徒はたくましく学習しています

 

また、先生たちもこの環境に屈していません。

 

この学校は、他の国の学校と比べてテクノロジーなどの設備はあまりありません。

 

しかし、テクノロジーはなくても教えることが十分可能です。

 

このような「テクノロジーも何もないとことでどれだけできるか」で「教師の技量が測れる」と感じました。

 

「教えることの根本的な要素」がシンプルに見えるスワジランドの学校。

 

「教えることの基礎」を習得するにはベストな環境なのではないかと思います。

 

そして、休み時間には子供たちと土のグラウンドでサッカーをしました。

 

 

 

2回目の教育実習ともあり、だいぶ余裕がある初日を過ごしました。笑

 

やっぱり子どもたちは無邪気です。日本でも、アメリカでも、スワジランドでも同じなんだなー、という一面を見れて良かったです。

 

これから5週間に渡って教育実習を行うので、スワジランドの学校について質問などがあったら遠慮せずに聞いてください!

 

明日も新しい発見や日本、アメリカとの違いを探してきます!

 

実はこの記事はアメリカの教育実習の初日の記事とほぼ同じ構成でかいています。笑
見比べてみると面白いかもしれません。笑

kyouikuwoamerikade.hatenadiary.jp

 

<このブログのアメリカ教育実習記が本になりました>