スワジランドと日本とアメリカの教育を比較して気付いた5つのこと
スワジランドの学校に通うようになってから早くも3週間目です。
3週間も経つと学校の全体像が掴めるようになってきました。
なので今回は、スワジランドの教育を日本の教育とアメリカの教育と比較してみたいと思います!
※あくまでも紹介している学校は僕が教育実習に行っている私立学校であって、スワジランド全ての学校が同じなわけではありません。この学校は私立なので、学校には中級階級の家庭の子どもが多く来ています。
①テクノロジー
教室の様子はアメリカとスワジランドで大きく異なります。
アメリカの教室には、電子黒板、ホワイトボード、プロジェクター、Apple TV、などなどが勢ぞろいしていますが、スワジランドの教室は黒板のみです。
アメリカの教室の設備は万全ですが、以前にも述べたようにテクノロジーが引き起こす問題もあります。
逆に、テクノロジーがなくても教えることは「可能」であることを忘れてはいけないと思います。
テクノロジーはツールでしかないので、本当に大事なのは「授業スキル」や「教科についての知識」などです。
それを前提にして、それでもやっぱり「テクノロジーがあったほうが良い」と感じたことがあったのでそれをいくつか述べたいと思います。
1、映像や画像を見せることができる
日本のことを説明したときはこんな感じです。
左がスワジランドで、右がアメリカです。
プロジェクターがないので、パソコンを片手に持って説明してました。笑
もしパソコンを持っていなかったら、写真を見せることはできませんでした。
視覚的に感じさせることができる写真や動画を見せることができるのは大きいと思いました。
2、時間の短縮
テクノロジーの大きな役割のひとつに手間を省いてくれることがあります。
例えば、単元テストなどを行う時に、先生たちは毎回黒板に問題文を全て書きます。
問題を書くだけで15分ほどかかります。
その間は、黒板に問題が書かれているので生徒は教科書も見てはいけません。
もし、これを事前にワードでテストを作ってプリントアウトしたら、待つ時間もなくテストを開始できます。
しかし、パソコンを持ってない先生が多いのでプリントを作る先生はあまり多くありません。
結果的に授業時間を無駄にしてしまいます。
また、宿題用プリントを問題集を切り貼りして作っている先生もいます。
もし、テクノロジーがあれば時間を大幅に短縮することができるのにと感じました。
②特別支援
この学校には、特別支援が必要な生徒のための先生も教室もありません。
全ての生徒は同じカリキュラムで同じ教室で授業を受けます。
そのせいで、集中することが難しい生徒や多動性の症状を持つ生徒はいつも先生の標的になります。
生徒は罰を言い渡されて、結果的に勉強する機会を失ってしまいます。
特別支援について全く学んでいない先生も多く、集中することが難しい生徒などはすぐに「問題児」扱いされています。
それに対してアメリカの学校では、特別支援学級が校内にあり、生徒が通常学級と特別学級を行き来することができるようになっていました。
また、先生たちの特別支援についての関心なども高いように思いました。
アメリカは、「一人一人に合った学習方法」がより重視されてる、と感じました。
対して日本は、アメリカとスワジランドの中間くらいかなと思います。
特別支援などへの関心は徐々に高まっているものの、アメリカと比べると制度などはまだ十分に整っていません。
アメリカの制度を参考にして、今後改善することができると思います。
③学校の雰囲気
スワジランドの学校の雰囲気はアメリカの学校よりも日本の学校に近いものを感じました。
例えば、スワジランドの学校には「集会」や「制服」などがあります。
「全員が集まる」、「全員が同じ服を着る」というのは、「個」よりも「集団」を優先させていることの現われだと思います。
また、「椅子の座り方」や「勉強をする時の姿勢」などしつけを指導している光景も目にしました。
これらのことは日本ではよくありますが、アメリカでは見ることはありませんでした。
④罰
⑤バイリンガル教育
生徒は全ての教科を英語で習います。(スワジ語の授業以外)
なので、生徒全員は英語とスワジ語のバイリンガルです。
これは、アメリカとも日本とも大きく異なる点です。
義務教育を終わった時にバイリンガルになっているってなんだか理想的ですよね。笑
生徒が二ヶ国語を流暢に話している姿を見ると、これからの日本の英語教育改善のヒントが隠れていると感じました。
バイリンガル教育についてはこの記事で書きました。!
kyouikuwoamerikade.hatenadiary.jp
まとめ
以上5つの点が特に目立ったところかなと思います。
このように比較してみると、意外な共通点や相違点を発見することができました。
ただ「傍観」するだけではなく、実際に携わってみること。
この考えを他国の教育を見るときに大事にしてます。
これからも新しい発見があったら、どんどん報告します!
先生は神様を信じる? ~日本の宗教と戦争のはなし~
人間が神になるって神道って面白い宗教ですね。
先生の本音の告白~スワジランドで教育実習~
僕の今通っている学校は約15年前に立てられた学校です。
しかし、学校の設備は充実しているとは言えず、トイレも男女2つずつしかありません。
ちなみに学校のトイレは水洗式ですが、僕の滞在先のトイレは水洗式ではないです。。。
トイレに行くと臭いとハエがすごいですが、だんだん慣れてきました。
慣れってすごいですね。笑
また、この学校は私立の学校なのですが、非営利の学校です。
僕が現在滞在しているNGOのリーダーの方が中心になって学校を建てました。
その方は、自分の娘を体罰が蔓延している公立学校に行かせたくなかったことから、自分で学校を建ててしまいました。
「なかったら作ればいい」というシンプル且つ大胆な発想。
それにしても、学校を建ててしまうなんて只者ではないです。
その学校ですくすく育った娘さんが、今では大学生になってアメリカのアイオワの大学に行っています。
そのアイオワの大学が僕の留学していた大学でした。
その関係で、僕の大学とスワジランドの学校が繋がり、僕が大学から初めてスワジランドに派遣される生徒となりました。
大学入学する前は自分がアフリカにいるなんて思ってもいなかったです。
人生って本当に何が起こるかわからないですね。
さて今日は、スワジランドの5年生の時間割を紹介します。
<1日のスケジュール>
8:00 - 8:50 理科
8:50 - 9:40 体育
9:40 - 10:30 算数
10:30 - 11:00 休み時間
11:00 - 11:50 スワジ語
11:50 - 12:40 英語
12:40 - 13:30 宗教
13:30 - 14:30 伝統文化/演劇/スポーツ/ヒップホップ
授業時間は50分です。
アメリカでは43分でしたがスワジランドは50分ときりがいいです。笑
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時間割をよく見るとわかると思いますが、授業と授業の間の休み時間がありません。
教室移動があることが多いので、授業が遅れて始まるのは珍しくないです。
時間はまあまあルーズです。笑
また、お昼の時間と中休みは合わせて30分間です。
生徒たちは毎日お弁当を持ってきて、急いで中休みに食べます。
給食はありません。
サンドイッチを持ってくる子が多いですが、ケンタッキーのチキンを丸ごと持ってくる子どもいます。笑
また、金曜日は休み時間が2倍の1時間あり、その間に「学校のお菓子屋」が開かれます。
毎週金曜日は、学校が生徒にお菓子を売って、生徒たちはアイスやキャンディーなどを買って食べることができます。
生徒たちは金曜日はいつも楽しそうです!
これは学校が資金集めのために始めたらしいですが、今では面白い学校文化になっています。
また金曜日は、1時間学校が早く終わる日でもあります。
他の曜日では、13:30から教室外活動がありますが、金曜日はありません。
金曜の放課後に、2年生の教室に行ってみました。
そこには、2年生の担任の先生が疲れた様子で椅子に座っています。
「大丈夫ですか?」
と聞くと、
「毎日毎日怒ってばっかで体がもたない」と。
僕はこの2年生の先生が怒っているのをよく見るので、毎回エネルギーをかなり使ってるのは見て取れます。
その様子は以下のこの記事に書いています。
kyouikuwoamerikade.hatenadiary.jp
そして、
「俺は毎回毎回怒鳴っているけど、本当はこんな教え方をしたくない。」
と、先生が本音を漏らしました。
「去年は俺はこんな教え方をしていなかった。この2年生の担任になってから教え方を変えなければいけなかった。」
「2年生の担任になって一週間経った時、俺はこの仕事を辞めたくなった。生徒は誰も言うことを聞かない、生徒は立ち上がる、喧嘩をはじめる。俺は生徒に厳しくならなければいけなかったんだ。」
初めて聞く担任の先生の本心の言葉でした。
今までは、「怖い厳しい先生だな」と思っていたのですが、このような思いがあったなんて知りませんでした。
教え方を見てると、「生徒のことや教えることが本当に好きなのかな。」と疑問に思ったありました。
しかし、思えば「子どもが嫌い」で先生になる人なんかいないですよね。
これに気づいたら、先生が違うように見えてきました。
「何か手伝えることがあったらいつでもいってください。」
と言って、来週はできるだけ2年生の先生を助けようと心に決めました。
アメリカの教育実習と決定的に違うこと
即興授業 ~スワジランドで教育実習~
自分が本当に伝えたいこと~スワジランドで教育実習~
今日は学校で6年生が家庭科の授業をしていました。
スワジランドの料理の作り方を習うことで、国の伝統を守っていこうとしています。
出来上がった料理を食べさせてもらったら、すごい美味しかったです!
(料理名はわかりませんでした。笑)
スワジランドの料理は個人的にかなり好きなのが多いです。笑
そしたら、「今度日本料理を作ってよ~」
と先生に言われました。
「作りたいんですけど、材料が手に入らないんですよね~」とやんわり断ったら、
「南アフリカの大きいスーパーマーケットなら何でも手に入るから買ってくるよ!」
と言われて、今度日本料理の作り方を教えることに。笑
材料が本当に手に入るのか、日本料理を上手く作れるのか、生徒たちは日本料理を気に入るのか(気に入らなかったら僕が全部食べます)、
不安要素ばっかです。笑
でも、とにかく挑戦してみます~!
そして、その後は英語の授業を見学させてもらいました。
生徒たちは英語の「文法」を習っていたのですが、英語で学んでいます。
日本みたいに、日本語で英語を学習するのではないです。
そして、他の科目、算数、社会、理科なども全て英語で習います。
彼らが英語を話すのは学校だけです。家ではスワジ語を話します。
なので、スワジ人は全員バイリンガルなのです。
これって、日本の英語教育が目指していることではないでしょうか。
その秘密を探るべく、
英語の先生に「どうやって彼らは英語とスワジ語の両方を学んでいるんですか?」
と、聞いたところ先生は
「子どもたちは幼稚園から英語を習い始めているから、言葉を話し始める時には既に英語の感覚を掴んでいる」
と言っていました。
これは、「英語に触れる機会が長い」というのと「英語を話す機会が十分に用意されている」ということです。
子どもたちは、幼稚園の時から英語に入り浸っているのです。
日本も幼稚園の時から英語を教え始めればいいんですね~。
しかし、これを日本の公立教育で達成するのは現段階で難しいです。
スワジランドの英語教育が始まったのもイギリスの植民地だったからなので、そのぐらいの強制力がないと日本では厳しそうです。
また、「ネイティブレベルの英語を話す必要があるのか」という疑問点が浮かび上がります。
「ネイティブレベル」が必要ではないとしたら、「ビジネスレベル」なのでしょうか?はたまた「日常会話レベル」なのでしょうか?
高校の英語の学習指導要領には「プレゼンテーション」や「ディスカッション」を英語でできることが指標のひとつに入っています。
これは、「ビジネスレベル」に近く、今の学校教育の「英語を話す機会」と「英語を聞く機会」の数から考えると、厳しいのかなと感じます。
では、この限られた状況で何ができるのでしょうか。
英語を話せるように教えることも大事ですが、「自分で英語を勉強したい!」と思わせることが必須なのではないのかと思います。
僕は去年の夏に、「将来、翻訳機が発達したら英語を話せなくてもコミュニケーションが取れるようになるだろう。もしそうなったら、英語の先生ができることはなんだと思う?」
と聞かれました。
この時僕はすぐさま答えを言うことができませんでした。
また、「要は、君は何を生徒に伝えたいの?」と別の先生にも聞かれました。
この時も上手く答えられなかったのを覚えています。
しかし、それから1年経って、この問いの答えを見つけられたような気がします。
自分が伝えたいこと、
それは、「世界の魅力」です。
「英語を教えたい」「英語を話せるようにさせたい」というよりも、「生徒に世界に興味を持ってもらいたい」です。
そして、「世界に興味を持ってもらう」ための一番いいツールは英語を教えることを通じて「自分の経験」を語ることなのではないかなと考えています。
英語を使って海外の人と交流したこと、海外で自分が失敗したこと、異なる文化で新しく発見したこと、などです。
そして一人でも多くの生徒が「自分も海外に行ってみたい!」と思ってほしいです。
「教える」ことよりも「学びたい」という気持ちを育むこと。
これができたらいいなと思います。
日本では英語を教えることを通じて、アメリカやスワジランドでは日本のことを話すことを通じて、「世界に興味」をもってもらいたいです。
こんなことを考えた一日でした。
生徒を勉強に集中させる秘密とは?~スワジランドで教育実習~
「次席立ったらこの携帯ですぐさま親に電話をかけるからな」というふうに言われることもあります。
アフリカの醍醐味!サファリパーク!
金曜日に学校が終わってから、学校からそのままサファリパークに行ってきました!
宿泊してるNGOの方々がちょうどサファリパークに行くということだったので、運よく一緒に連れて行ってもらいました。
場所は、スワジランドから北上して国境を越えた南アフリカの「クルーガー国立公園」です。
総面積は日本の四国がすっぽり収まる大きさ。
早朝に活動する動物が多いので、前日にサファリパークの近くでキャンプをして、朝4時に起きてサファリパークに乗り込みます。
こないだしたばっかなのに、またキャンプです!
2回目とあり、手際よくテントを組み立てます。
翌朝に、近くで車を借りて、人生初のサファリパーク!
サファリバークのイメージは完全に「富士サファリパーク」です。
頭の中で、「ホントにホントにホントにホントにライオンだ!近すぎちゃってどうしよう~、可愛くって~、どうしよう、富士サファリパーク!」
の歌が流れます。笑
このサファリパークは、自家用車で入ることができ、自分で運転できます。
僕もアフリカ&サファリパークでの初ドライブをしてきました!
アフリカのサバンナの朝日はきれいです。
朝日に目が釘付けになっていると
「ガサガサッ、ガサガサッ」
といって現れたのは
キリン!!!!
テンションがあがります!!
幸先の良いスタート!!
そして、シカの群れも!
さらに野生のゾウも!
ち、ちかい!!!
さすがにこの近さにはちょっとびっくりしました。笑
もう少しで、車にぶつかってくるところでした。
カバやクロコダイルも見ることができました!
終盤には、バッファローとシロサイも!!
シロサイはけっこう見ることが難しいので、ラッキーでした!
しかし、一番重要な動物がまだ、、、、
そうです、「百獣の王」ライオンがまだ見ることができていません・・・
このサファリパークは富士サファリパークなどど違って、野生の動物が住んでいるところを車で探索するので、ライオンなどが見れないのは珍しくないそうです。
そして、1日20時間眠ることもあるというライオン。
帰宅時間になり、諦めかけて、出口へ向かっている途中に、他の車が何台か止まってるのが見えました。
「何見てるんですか?」
と聞いてみると、
「ライオンだよ!!」
という答えが!!!!
ライオン!!!
遂にご対面です!!
野生のライオン!!
車を道路に寄せて、緊張の瞬間。。。
。。。。
。。。。
あれ、、、、
どこ???
見えない。。。。。
ライオンが見えません。。。
しかし、
「あっ、いたっ!!」と言う声が。
よく見てみると、遠くですが茂みの後ろにいました。
雄ライオンです。
じーと、立っています。
車を警戒しているのか、間近でみることはできませんが、 野生のライオンです!!
最後の最後に念願のライオンを見ることができました!
初サファリパークで、アフリカ初ドライブして、初野生のライオンを見て「初めて」づくしでした!!
アフリカの大自然を満喫できて、ちょうど良い息抜きの週末になりました~!
算数×日本文化×マジック!? ~スワジランドで教育実習~
スワジランドでついに初授業!!